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2009年03月04日

山下清展

2月の雪の日、もともと出掛けようと予定していたのは、伊丹市立美術館でした。
雪の写真を撮ろうとして、岩倉などに出掛けて遅くなりましたが、昼頃から、やっと伊丹に向かいました。山下清展が行なわれていて、この日を逃すともう観れる日がなかったので、お昼も抜きで電車に乗りました。RIMG021740.gif
JRの駅から美術館までは、極めて方向音痴な私でも迷わずに歩いて行けました。電車から降りて階段を上がったり道を曲がったりしても方角を把握している能力が、私には著しく欠如しています。それでも、思いついたらすぐどこでも1人で出掛けてゆくので、そのうち、その能力が身につくと思っていましたが、無理のようです。能の働きというものは、いろいろに分かれていたり、連動していたり、難しいものです。

山下清さんは、3歳の頃に重い消化不良になり、一命は取りとめたものの、後遺症で軽い言語障害、知的障害になったそうですが、サヴァン症候群であった可能性が高いといわれています。
サヴァン症候群とは、知的障害や自閉性障害のある者のうち、ごく特定の分野に限って、常人には及びもつかない能力を発揮する者の症状を指すそうですが、確かに山下清さんは、並外れた才能の持ち主です。RIMG021741.gif

山下清さんの事はTVドラマぐらいでしか、知らなかったので、生の絵を観て初めてその、ものすごさを知りました。ドラマでは、放浪先で、スケッチしたり、貼り絵をしたりしていますが、実際は、放浪を終えて戻ってから、記憶を頼りに描いていたそうです。
そもそも、それからして、私なんかには無理な話ですが、その作業たるや、想像しただけで、気が遠くなるというより、気が変になりそうなくらい細かすぎです。
初期の作品は、うーん、センスいいなあ~。という感じに軽く感じながら、観ていましたが、だんだんに進化してきて、ついていけない集中力を感じました。私も一応絵を描きますし、学生の頃は、作業中は、近寄れない空気感があるなどと言われましたが、長く緊張した状態でいると、頭がオーバーヒートして、熱が出てくる感じがして、休憩しないと切れそうとか思いました。
山下さんは、高血圧による眼底出血に見舞われ、1971年7月12日、脳出血のため49歳の若さで死去されていますが、こんな作品を数多く制作しているのだから、血管切れるのも無理ないなぁと思えました。
観といてよかったなと感じた展覧会でした。

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