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2017年06月24日

第68回京都薪能 2日目

第68回京都薪能 2日目13-688.jpg
本日の演目「野宮」に合わせて、葵柄の小紋に車争いを思わせる絵柄の帯に女面の帯留にしました。13-693.jpg
今回は、女性が主人公となるのは、「野宮」のみです。火入の後の、刻々と暮れ始める絶妙な時間帯です。13-692.jpg
開演前に、楽屋前に出ていらした「野宮」シテの河村晴道さんにばったり遭遇してしまい、うれしくなって声を掛けてしまいました。「葵上」の御息所と違い、「野宮」は、静かなたたずまいが魅力の御息所です。御息所の妄執が、ゆらゆらとたゆたう薪の炎と相まって、なんとも堪りません。
一つ目の「弓八幡」半能だったのが残念でした。
狂言は、祇園祭を題材とした「鬮罪人(くじざいにん)」長い演目でした。千三郎さん演じる太郎冠者が、なんともかわいらしく感じました。ラストは、「小鍛冶」頭の上の狐が可愛いくて、スリムな金剛龍謹さんにぴったりといったところでした。
パンフレット13-687.jpg
昨晩、雨がしっかり降ったので、すっきりしたお天気となり、暮れるにつれ肌寒くはなりましたが、屋外らしさを味わえてよかったです。雨天の場合は、ロームシアター京都になるので、一度観てみたいとも思うのですが、やはり平安神宮で見る薪能は美しいですから、晴れた方がいいですね~。双眼鏡で見ると、シテ方の背後に大極殿の屋根が大きく映り、なんとも雄大で雅です。また来年も観る事が出来ますように!

2017年06月21日

第68回京都薪能 1日目

今年も恒例の京都薪能に行ってきました。13-686.jpg
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「神出鬼没 幽冥(ゆうめい)巡礼」をテーマに、舞台はすべて京都でした。一日目は、「田村」をイメージした装いで出掛けました。13-689.jpg
紫地の抽象柄の小紋に修羅物の人物の描かれた帯。厳密に云うと源平物が描かれているのですが、まあ、田村も修羅物なので…。帯留は清水の桜を愛でるというシーンなので、桜にしてみました。
三十分開演時間を遅く設定されたようですが、常連組には、あまり関係ないようで、年に一度、お会いする方々と談笑するうち、やっと会場入り。今年はあまり暑くなく天候もよくて、幸いでした。13-691.jpg
もっとも、一つ目が「加茂」で、別雷の神が出ていらっしゃるものですから、一天にわかに搔き曇りはせぬかと心配はしましたが。
ナビ狂言なるものが演目の前に入り、楽しく解説するという新たな演出がなされて、なかなかいい感じでした。難点は、トイレ行く間がないといったところですね~。
桜の時期に清水寺を訪れ、「田村」の予習をしておいたので、その時の情景を思い出しつつ鑑賞出来ました。狂言は「鞍馬参り」。鞍馬を訪れた時は、ケーブルが止まっていたので、徒歩にて参詣することになり、結構な山道を歩く事になりましたが、狂言だと、あっという間に着いてしまうのがいいですね~。「舎利」泉涌寺の舎利殿が舞台となる演目で、ラストの演目にふさわしい派手な立ち回りです。第61回に金剛流で観ています。舎利殿の天井を蹴破って、足疾鬼が空を飛んで逃げるというシーン。実際には舎利殿をぐしゃっと踏み潰す足疾鬼という演出になるのですが、実際の舎利殿が踏みつけられたように感じて、ぎゃっとか思ってしまえるのがいいですね。自宅に帰って少ししてから土砂降りの雨となり、なんとも絶妙なタイミングの一日目でした。

2016年06月10日

第67回 京都薪能 2日目

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薪能2日目 昨日と同じ席をキープして、開演を待ちます。今日は、エンディングの「大瓶猩々」に合わせて、猩々の帯にしてみました。12-279.jpg
開場待ちの間に、目の前を、大瓶や狂言に使う3本の柱が、運び込まれて行きました。ちょっと照れくさそうに通られるところが、面白いところです。今日はしっかり寒さ対策の防寒具を多めに持ってきました。12-285.jpg
薪が入ると最前列ゆえ少し暖かくはなるのですが、昨日のような風の強さではそれも一瞬の事になってしまいます。
狂言「三本柱」いつも、会場待ち時間を盛り上げてくれる茂山宗彦・逸平兄弟が出演します。今年は千五郎さん・正邦さん親子が揃って、千作・千五郎を襲名されるそうです。襲名披露に行けるといいのですけどね~。
「翁」は、いつも愉快な井上裕久さん
「養老」「三輪」「大瓶猩々」はそれぞれ、やはり半能です。
「養老」はやはり、老父と孝行息子が出てきて、説明しないとなにやら、いきなり感がありますね~。
「三輪」運び込まれた作り物に、内側から衣が掛けられました。前場がないから、衣の意味わからないじゃないと突っ込みながら、鑑賞。
「大瓶猩々」大勢の猩々が出て来て、酒盛りです。面がそれぞれ違っています。ちょっと小さい方が一人、鷲尾世志子さんという女性の能楽師の方でしょうね。飲むほどに皆がふらつくさまが、愉快な能です。「コップのフチ子さん」というのがありますが、是非、「杯の猩々」を作って頂きたい。可愛いと思うのですが…。骨董品で、それを見つけたのですが、猩々の姿がいまいちでした。美しい面立ちで、可愛いしぐさの猩々が欲しいな~と改めて思った能でした。
松野奏風 作12-278.jpg

2016年06月09日

第67回 京都薪能 1日目

6月1日 今年も京都薪能を観に行きました。12-287.jpg
今年は天候に恵まれ、雨の心配もなく、暑くもなくいい具合だと思っていたのですが、風が強く、暮れるにつれ、寒くなってきて、取り敢えず、いろいろ羽織ってしのぐという、思いがけない事態になりました。12-286.jpg
今年も、最前列をキープして、開演を待ちます。12-283.jpg12-282.jpg
(五輪開催年に復興と平和を祈る)という副題が付いた今年の薪能、金剛流の「翁」に始まり、神様が主役の番組が多いのですが、如何せん、半能ばかりのようです。12-280.jpg
コーディネートは、翁に合わせ、松の帯に翁面の帯留にしてみました。

短時間に多くの番組を盛り込むとはいえ、これまでは、後半のみの半能もありましたが、ところどころはしょりながらも、前場、後場と演じられる番組もあるという構成でした。今年は、すべて後半の盛り上がるところだけを演じるという形になっていました。ワキ方が出て来て、ちょっと説明したかと思うと、すぐ後シテが出て来て、気持ちが付いていけず、とまどってしまいました。初心者には、やや退屈な前場を端折り、賑やかな場面を見せた方が、受けがいいのかもしれませんが、個人的には、気持ちの早送りが間に合わず、サビ場面に、感情のピークが来ないまま、終盤へと向かってしまう感じです。
月岡耕漁 「杜若」12-281.jpg
「杜若」在原業平を偲ぶ内容で、好きな演目の一つです。この春には、業平寺(十輪寺)にて、散る花を眺める事も出来たので、いっそううれしいです。愛知県知立にある無量寿寺の八橋かきつばた園も、訪れてみたいものです。
ワキ方は、原大さん!杜若の精の舞に酔いしれているさなか、観客の一部がざわっとして、はたと舞台全体を見渡すと、笛の帆足正規さんが、静かに静かに横に倒れられました。後見の方が少しばかりその寝姿を舞台わきへと引きずられ、舞台側に背を向けて、隠されました。人工呼吸が始まりAEDが持ち込まれた様子が、隙間から見え、ただ事ではない様子ですが、舞台は何事もないかのように、終盤へと。能は何事があろうと続行するという習わしなので、次の演目の笛方である左鴻康泰弘さんが静かに座られて、粛々と舞台はエンディングを迎えました。
やがて、救急車の音が近づき、大勢の後見が幕を張る中、タンカで運ばれて行かれました。しばしの休憩の後、最後の演目「春日龍神」が始まりました。
翌日のニュースで、大動脈弓部破裂で死去されたと知りました。享年85歳。さぞやおもてになったであろう面立ちのすっきりした素敵な方でした。最後のお舞台、序の舞を務められた御姿が目に焼き付きました。お冥福をお祈り申し上げます。

2015年10月02日

第51回 上京薪能

9月24日 第5回上京薪能が開催されました。12-637.jpg
残念ながら、朝から小雨模様で、白峰神宮での開催は取りやめとなってしまい、金剛能楽堂での上演となりました。仕事の都合で2部に遅刻してしまい、筝曲の途中で、係りの方に誘導されての席入りとなりました。大入り満員状態で、補助イスが通路に並んでいたのですが、まさかの脇正面最前列の前にもう1列並んだ補助イスの橋掛り横、一の松の横に座る事となりました。舞台、近!照明まぶしっ!遅れて来ておいて、こんなお席に座ってしまっていいのかしらん?12-638.jpg
横から見ていると、所作がよく見えて、正面席とはまた違う面白さがあります。立ち上がる際に、ちょっと踏ん張ってらっしゃるところなど、よく見えてしまいます。老化は足腰から来ますから、気を付けなくては…。
最後の演目は、能「杜若」です。ワキは、大好きな原 大さん!囃子方は、大鼓 井林 清一さん 小鼓 曽和 鼓童さん 太鼓 前川光範さん、そして笛は 森田保美さんと京都能楽囃子方の方々で、良い感じ~!
するすると原さんが横を通り過ぎ、目の前に!近い!何処を見ていいか分からないほど、近くて気恥ずかしい…。シテ方は、金剛流 種田 道一さんですが、私としては、面や姿かたちに気持ちが入ってしまうので、杜若の精か、はたまた業平かとしか認識出来ません。足の運びがよく見えるので、思わず自分の足にも力が入り、つりそう…。双眼鏡で、面もドアップで。うっ、美しい~。ちょっと、原さんもアップでちら見。照明を、もう少し柔らかくする事が出来たなら、もっと美しく見えるかもです。
ともあれ、雅な夕べでした。

2015年07月10日

京都能楽養成会 平成27年度第2回研究発表会

6月29日 金剛能楽堂で、京都能楽養成会の平成27年度第2回研究発表会が行われました。12-807.jpg
若手の研究発表会で、無料なのになかなか見ごたえがあるとの評判なので、初めてやってきました。観客は少ないのですが、緊張感漂う空気。応援したくなる感じで、とても良かったです。装束なしなので、そこは想像力でカバー。大好きな「天鼓」を観れて、機嫌よく帰ってきました。また、観に行くことにしましょう。12-805.jpg

2015年07月09日

第238回 市民狂言

6月26日 観世会館で、第238回 市民狂言が開催されました。12-808.jpg
あいにくの雨模様でしたが、出掛けて行きました。薪能は、長年通っていますが、市民狂言は初めてです。12-806.jpg
「郭公(ほととぎす)」江戸時代、9世千五郎さんに弟子入りしていた冷泉為理(れいぜいためただ)さんの作という千五郎家のみで演じられるものです。
「吹取(ふきとり)」狂言の方でも、笛を吹く場面があるのですね~。
「泣尼(なきあま)」説法が有り難く聞こえるようにと、よく泣く尼を連れて施主の家にやってきた坊さん。ところが尼は、居眠りをしていて、役立たず。お布施の取り分で揉める僧と尼。
「神鳴(かみなり)」地上に落っこちてきた雷さまを治療するヤブ医者。
お能がないのは、なにやら変な感じがするのですが、結構楽しめました。こういうのも良いものですね。

2015年06月12日

第66回 京都薪能 2日目

第66回 京都薪能 2日目も同じ席をゲットしました。12-864.jpg
2日目の番組は、以下の通りです。
   観世流半能「龍田(たつた)」
   -火入れ式・理事長挨拶-
   観世流能「経正(つねまさ)・替之型(かえのがた)」
   金剛流能「羽衣(はごろも)・盤渉(ばんしき)」
   大蔵流狂言「夷毘沙門(えびすびしゃもん)」
   観世流能「小鍛冶(こかじ)」

「龍田」
紅葉の美しさを描いた能で、季節が違うのですが、この作では、竜田明神は天逆矛を守護する神とされている為、1日目の「逆矛」に対しての2日目の曲として、選ばれたのでしょうね~。紅葉の冠が可愛い龍田姫。竜田川の紅葉を一度見にいきたいものです。
理事長挨拶
今年から同時通訳が入ったとのことでしたが、あらかじめ用意した挨拶文を読み上げつつの英語アナウンスだったので、ちょっと同時通訳とは言い難いような…。まあ、外人客が多いので、良い事ではあります。
「経正・替之型」
能画名作百選より 「経政 月岡耕漁」12-856.jpg

先日、仁和寺を訪れて、気分を盛り上げていたので、舞台にスルッと馴染めた感があります。やっぱり予習しないとね~。
「羽衣・盤渉」
能画名作百選より 「羽衣 月岡耕漁」12-855.jpg
今回、森田保美氏の笛は、この「羽衣」のみでした。森田氏の笛は、シャキーンとして、空気張り詰める感があって好きです。ワキは原大さんですし(*^^*)シテは金剛永謹さん。どんな面で登場されるかドキドキします。
「羽衣 松野奏風」12-853.jpg
昨年の花筐の時とは全く違う、色白で涼やかな顔立ちの天女でした。長絹は、上村松篁氏原画の鳳凰。ちょっと重そうな天女の羽衣ですが、ゴージャスです。 下に着てらっしゃる装束の柄も、自宅の掛け軸のものとよく似ています。
「羽衣 山口蓼州」12-852.jpg

「夷毘沙門」
門前で座り込みをしている時に、この夷三郎さまの鯛が、目の前を通ってゆきました。
神様も美女に弱いのですね~。人間のところに婿入りしようとやってくる、とても人間っぽい神様たちのお話でした。
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今年は、パンフレットにシテからのメッセージと題して、顔写真とコメントが掲載されました。シテの方は面を付けてから、舞台に出てらっしゃるし、カーテンコールなどというものもないので、お顔が見えない感がありますから、これはいいですね~。ちょっと親しみやすいかと思います。
「小鍛冶」
はつたと打てばちやうと打つ ちやうちやう\/と打ち重ねたる槌乃音。
軽快に剱を打つ様が小気味良い曲です。でも、この刀身打つスペース、狭くないかしらん?と思ってしまいます。寸法は昔から決まっているののでしょうけど…。昔の人はもっと小柄だったのではないでしょうか?
能画名作百選より 「小鍛冶 月岡耕漁」12-854.jpg

今年も2日間の薪能を満喫しました。何やら、梅雨入りが早まってきているようですが、来年も雨天になる事なく、観能を楽しみたいものです。

2015年06月10日

第66回 京都薪能 1日目

第66回 京都薪能 平安神宮御創建120周年記念〜神々の想い・祈りの風12-868.jpg
今年も、早々に準備をして、出掛けました。12-867.jpg
先頭行列メンバーは、相変わらずです。 
第1日目の番組は、以下の通りです。 
   観世流半能「逆矛(さかほこ)」
   -火入れ式・市長挨拶-
   観世流半能「半蔀(はじとみ)」
   観世流能「菊慈童(きくじどう)・遊舞之楽(ゆうぶのがく)」
   大蔵流狂言「福部の神(ふくべのしん)・勤入(つとめいり)」
   金剛流能「国栖(くず)・白頭(はくとう)」
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今年は最前列正面左側の席を確保。お弁当タイムです。おばんざいのお弁当を作ってみました。12-865.jpg
今年は、昨年より過ごしやすい天候で、雨の心配もなくの開催となり、いい感じです。5月17日(日)に、プレビュー公演が、京都文化博物館にて開催されていたようですね~。減少傾向にある地元の来場者を増やそうとの取り組みだそうです。確かに、他府県からいらしている方は多いですね。雨天順延に備えて、連泊されてたりして、感心してしまいました。12-863.jpg
薪能は、屋内の上演とはまた違う魅力がありますからね~。ハマるとやめられません。たまに能楽堂で見て、ここで風を送って~とか思ってしまいますし…。そういう演出をしてはいけないものでしょうか?
「逆矛」
半能なので、前シテの老人場面は端折られて、ツレの天女の舞と、サービス精神旺盛な瀧祭明神が、逆矛を携えて現れ、国生みの様子を再現してみせてくれて、御代の平和を祈り寿ぐというシーンとなります。平安神宮御創建120周年記念にふさわしい幕開けですね~。
パンフレットは半蔀でした。
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「半蔀」こちらも半能 五条あたりまでやって来た僧が夕顔の花に昔を偲んでいると、半蔀を押し上げ、一人の女が現れます。源氏の君とのなれ初めを語るうち、夜が明け始め、静かに半蔀の内へと、入ってゆきます。花供養の僧の夏の幻想といった趣に描かれた夕顔は、儚げな美しさを漂わせて、その恋の結末も見せずに終わります。その後の展開が分かっているだけに、余計、キュンとなる感じがしますね~。12-859.jpg
この日は、大好きな「菊慈童」に合わせて、菊慈童柄の着物に、流水の帯、菊の帯留のコーディネートにしてみました。12-858.jpg
比翼なしの袷の色留でしたが、重陽の節句や能の鑑賞に気軽に着られるようにと、単衣に縫い直してみました。
「菊慈童」
この曲は、かつては前後二場であったのでしょうか?現行のスタイルは、1場面となっていて、すぐに菊慈童が現れます。不老不死の少年は、そのいきさつを述べ、楽を奏し、菊水の流れを汲んでは勅使に勧め、自らも飲みます。無垢な慈童の楽しげな様が、なんとも好きな曲です。それは、自分が一人遊びを得意とするせいでもあるのでしょうけど、700年間も一人遊びするというのも、結構大変?かもですね~。
「福部の神・勤入」
パンフレットによると、福部の神の役は、千作さんの最後の役であったそうです。跡継ぎの千五郎さんにとって、感慨深い曲でしょうね。茂山家内揃ってのお舞台、福部の神の後ろに、もう一人 福の神が見守っていらっしゃるような…。
「国栖・白頭」
子方の王は、昨年同様、廣田明幸(はるゆき)くんです。なんとも可愛くて、目が離せません。壬申の乱の際の吉野を舞台としてしています。吉野はこの春、訪れたばかりですので、イメージしやすく、といっても千三百年ばかり時を経ていますが…。(先の戦が応仁の乱という京都人ですから、大した問題ではない?)老夫婦に守られ、蔵王権現に守護を約束される浄見原天皇、めでたき曲でした。
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2015年04月24日

ファゴットとエラールピアノの夜桜コンサート

平野神社の前の通りを少し下がったあたりにある大正から昭和に活躍した日本画家・山下竹斎の邸宅兼アトリエとして大正15年に建てられた木造建築が、時を経て保存修復され、平野の家 わざ永々棟という文化拠点として公開されています。12-989.jpg
「ファゴットとエラールピアノの夜桜コンサート」が開催されたので、訪れてみました。12-988.jpg
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ステンドグラスが綺麗12-986.jpg
12-985.jpg 一階の土間とダイドコが、コンサート会場になっています。12-984.jpg
1922年に造られ放置されていたエラールのピアノを修復されて蘇えらせたそうです。ガラスの靴を履いているのが面白いです。12-982.jpg
ファゴットとピアノが柔らかな調べを奏でて、穏やかな気持ちになれました。
仙崎和男氏が懇切丁寧に解説を付けてくださったので、それぞれの曲や、ファゴットという楽器について、理解が深まりました。こういうサロンコンサートもいいものですね。演奏の後は、お茶室で老松さんの生菓子(夜桜だったような?)とお抹茶を頂きました。幸せ(^^)12-983.jpg

2014年06月08日

第65回 京都薪能 2日目

炎天下での待ちとなった1日目を終え、顔まであせもでただれてしまい、強い薬を塗り倒して翌2日目。なんとか赤みと腫れが引いた模様。日傘、扇子に加え、日本手ぬぐいも持って行く事にしました。日傘をさせない場面での日差しよけ対策です。10-237.jpg
今日のいでたちは、石橋バージョンです。牡丹の帯に、ちょっと加工した唐獅子の帯留です。10-221.jpg10-219.jpg
陶器のシンプルな帯留に金蒔絵シールを張ってみました。10-220.jpg10-218.jpg
周りの牡丹がちょっとしつこ過ぎたかも・・・。
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昨日、座り込み中にワキ方の原大さんが、横を通って楽屋入りされたので、今日はマジック持参で待機。サインと握手ゲットしました!きゃー!
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小鼓の曽和尚靖さんも、行列周りをゆらゆらしてらしたので、サインして頂きました。個性的におしゃれな方です。
昨日よりは少しばかり日差しがおだやかで、なんとか待ち時間を乗り切れました。また最前列正面あたりをゲットしてお弁当タイムです。まだまだ侮れない日差し、海老さまの日本手ぬぐいで、よたかスタイルです。今日は、魚常さんにお願いしました。お忙しい中、ありがとうございました。10-229.jpg

2日目の番組

観世流能『屋島-那須語-』
-火入れ式・理事長挨拶-
金剛流半能『花筐』
大蔵流狂言『止動方角(しどうほうがく)』
観世流半能『石橋-大獅子-』

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能画名作百選より 「屋島 月岡耕漁」

『屋島』
ワキは、原大さんです。サインなどしてもらったばかりで、ドキドキしてしまいます。思わず、手を振りたいところを我慢。
那須語ということで、間に狂言方 茂山正邦さんの語りが入ります。これがなかなか、見ごたえがありました。実際に見ていたのかしらんと思うような、義経・余市のやり取り。扇がゆらゆらと落ちてゆき、波間に漂うさまが見えたように感じました。

理事長 井上裕久さん挨拶
こんなところに・・・と言って袴の中から、パンフレットを取り出され、購入のおすすめ。おちゃめな方です。

『花筐』
金剛流宗家親子の共演です。継体天皇として即位した皇子を追って、大和国にたどり着いた照日の前。その笑みを湛えたような面の美しさたるや!日の陰りくる中、ますます妖艶な面立ち。さすが、能面ラブと伝え聞く宗家ならではのセレクト!10-217.jpg
「花がたみ  上村松園」

天皇は子方なので、なんとも可愛らしく、実の母が訪ねてきたのかしらんと見えてしまうけれど・・・。
頑張って顔を動かしたりして、寝ないように頑張っている姿がなんとも愛らしくて堪りません。
廣田明幸(はるゆき)くん 2008年生まれ 将来が楽しみですね~。

狂言『止動方角』
見栄っ張りで勝手な主人に従いつつも、どこかで仕返しをしてやりたい太郎冠者。千作さんも、お孫さんの活躍を見守ってらっしゃるでしょうか?着ぐるみの馬役が重要な役どころながら、大変そうです。
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『石橋-大獅子-』
白一・赤三体の獅子の登場で、華やかです。牡丹の白・赤が昨日とは入れ替わりました。舞台前面の石橋の上にそろい踏みしたところは圧巻でした。フッと一陣の風が吹いて、タテガミが舞いあがり、面がはっきりと表れた瞬間は、目を見張るものがありました。
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かくして、今年も満喫した2日間でした。

2014年06月06日

第65回 京都薪能 1日目

6月1,2日と、恒例の京都薪能に出掛けました。10-226.jpg10-225.jpg

~観阿弥生誕680年・世阿弥生誕650年記念~
と題しての初日の番組は、
観世流能『高砂』
-火入れ式・市長挨拶-
観世流能『松風 -見留- 』
大蔵流狂言『千切木』
金剛流半能『石橋 -和合連獅子- 』
でした。
演目の『松風』に合わせて、着物をコーディネートしてみました。10-238.jpg
12時過ぎに平安神宮に着くと、2番目でした。5時半の開演まで長丁場の待ち時間、真夏日対策に保冷剤も持参しての座り込みです。10-236.jpg
年々、夜の冷え込み対策より、暑さ対策に移行しているようです。ようよう、最前列真ん中あたりに座席を確保すると、お疲れ様でしたという感じで、ほっこりお弁当タイムです。10-234.jpg
今日は、自分で作ってきました。冷酒が染渡ります。10-233.jpg
強烈な西日の中、『高砂』が始まりました。
家の掛け軸も、この日に合わせて、「高砂」を掛けてみました。高砂の掛け軸というと、翁と姥・松に鶴亀の絵柄が定番です。後シテの住吉明神を描いたバージョンは見たことがないですね~。前列に座ると、シテ方が前の方にやってきた時、後ろの大極殿の屋根がシテ方の肩下になり、ダイナミックな感じになるのが好きです。オペラグラスで見ると、住吉明神が大極殿を背に、ドアップで迫ってきて、堪りませんね~。寿命が延びたように感じるすがすがしい演目です。
『松風』
西日も陰り始め、薪の煙の中、舞台は須磨へと移行します。須磨に流された貴公子在原行平と海人の姉妹の恋の物語。源氏物語のモデルの一人といわれる行平が都に帰った後も待ち続けた姉妹は、この世を去った後も魂は須磨にさまよい続け、旅の僧の前に現れます。
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能画名作百選より 「松風 月岡耕漁」

「立ち別れ 因幡の山の峯に生ふる 松とし聞かば 今帰り込ん」行平の謡ったこの歌を引き合いに出し、狂おしく舞います。でもこの歌、須磨を立ち去る時ではなく、因幡に下向する折に謡った歌だけど・・・。まぁ、細かい事はいいか・・・。刻一刻と日差しが変化する中、幽玄の世界、全開です。しかし、姉妹で一人の男を待ち続けるというのも、どんなものなのでしょう?微妙~な演目です。

狂言『千切木』
千五郎さん 七五三さんはじめ、茂山家一門のみなさんです。七五三さん演じる太郎のころころ変わる態度がなんとも可笑しいところです。
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最後は『石橋』
今年は、二夜ともエンディングは『石橋』です。一日目は、金剛流で、親子バージョンの連獅子です。
赤獅子の宙返りが見ものです。紅白の牡丹の作物が出てきますが、いまいち美しさに欠けるのが難点。牡丹好きとしては、もっとあでやかに作ってほしいところです。闇に森田保美氏の笛が響き渡り、獅子の舞が華やかな文殊の浄土の世界でした。

2014年01月05日

金剛流謡初式と初詣

1月3日 
昨年からおじゃましている金剛能楽堂の金剛流謡初式に出掛けました。新春の謡鑑賞ということで、江戸小紋に帯は市松地に松の扇に鼓柄のおめでたい感じのコーディネートにしてみました。9-235.jpg
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すでに正面席は一杯でしたので、今年は中正面左寄りの御席。最初の「神歌」は目付柱に向かって座られるので、その際、金剛龍謹さんが、正面に見える位置にしました。ミーハーですから(^^)エンディングの舞囃子は、「高砂」龍謹さんの直面(ひためん)がいいですね~。お神酒も頂いて、新春気分いっぱいになりました。9-241.jpg
お庭には、立派な鯉が元気いっぱいに泳ぎ回っていました。9-242.jpg
初詣は、馬に会える上賀茂神社へ、9-240.jpg
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またお神酒を頂いて、おみくじは干支の馬ではなく、八咫烏バージョンにしました。9-234.jpg
神山号(こうやまごう)の前は、人だかり。写真撮影ラッシュです。9-238.jpg
なんで、そんなに写真撮るの?なんで、こんなに大勢の人だかりなの?って感じでしょうか?9-237.jpg
年賀状が届いたか聞きたかったのですが、話しかけてはいけないということで・・・。今年の賀状のモデルは、神山号だったので、一応本人にも送ってみたのですけどね。9-236.jpg
長久堂 北山店さんに寄って、生菓子「春駒」とお抹茶を頂いて帰りました。こちらは、「花佳人」9-233.jpg

2013年12月31日

佐村河内守 コンサート

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12月19日 京都コンサートホールで、佐村河内守作曲の交響曲第1番”HIROSIMA"のコンサートが開催されていました。
春ごろにテレビで紹介されていた時に興味を覚え、チケットを買っていました。交響曲は、聴く機会が少ないので、ちょっと不安もありましたが、聴力を失ってもなお、そんな大がかりなものを作曲出来るなんて、すごすぎる!と、ともかく聴いてみました。ご本人も1階後方に座られ、京響の演奏を見守ってらっしゃいました。まさに、観て感じているという事なんだろうなと、想像しながら・・・。A席を予約したので、3階真ん中の席でしたが、交響曲を聴くには、いい感じの席のようにも感じました。楽器の種類も多く演奏者も多いので、一度にいろんな音が重なる事になります。その音を頭の中だけで把握して、長時間の曲を創り上げるのですから、まあ半端じゃない作業ですよね~。ちょっとパワーおすそ分けしてもらいました。

2013年09月27日

二条城で楽しむ古典芸能

9月22日 二条城で楽しむ古典芸能 ~京一夜、国宝に浮かぶ能世界~と題して、二の丸御殿台所にて、能が演じられました。9-478.jpg
広くはないスペースに大勢の観客がびっしり、ほぼ閉じられた空間で、空調なし。あらかじめ、予測していたものの、結構暑い・・・。9-476.jpg
この日は、やっと出番を迎えた 能 忠度を描いた塩瀬の帯です。9-475.jpg
単衣の着物とはいえ、眩暈しそう。ひたすら「心頭滅却・・・火もまた涼し。」などと唱え続けて待ちます。
着物姿の門川市長も駆けつけ、ご挨拶。修復のためのご支援のお願いなど述べられて、退場。

【第一部】は、講演「和歌と能」冷泉貴実子さんです。
能「忠度」の解説と、冷泉家の祖にあたる藤原俊成にまつわるお話。すでに知っている内容が多かったのは、ちょっと残念。もちろん、お着物姿で、帯がなんとも素晴らしい!

【第二部】観世流能「忠度(ただのり)」 シテは片山九郎右衛門さんです。

森田 保美氏の笛が、重要文化財の中に響き渡り、暑苦しい閉塞感と空腹に朦朧としかけていた意識を呼び戻しました。

ワキ方 出家した藤原俊成の身内が登場です。

急ぎ候ほどにこれははや津の国 須磨の浦に着きて候、
しばらくこの所に休らひ花のさまをながめうずるにて候

(はいはい、ここははや須磨の浦。さわやかな浜風がその頬をなで・・・。)って想像してみると、わずかに風が!と思いきや、近くの観客の扇子による風でした・・・。

忠度が都落ちの際、俊成のもとを訪れ、和歌を託した事、その歌が朝敵であるが為に、「千載集」に読み人知らずと記載されたのが無念である事、平家が合戦に敗れ、忠度が討たれた様子、などが語られてゆきます。

終曲に際して、

おん身この花の、陰に立ち寄りたまひしを、かく物語申さんとて、
日を暮らし留めしなり、いまは疑いよもあらじ、
花は根に帰るなり、わが跡弔ひてたびたまへ、
木陰を旅の宿とせば、花こそ主なりけれ

と地謡が、入ります。

僧がこの花の影にお立ち寄りになったので、このように日を陰らせて夜にして、引き止めたのです。
いまはもう疑問の余地もありません。わたくしこそが、この花の下に眠っている忠度なのです。
花が根に帰るように、わたくしもこの花の下に帰ることにいたします。どうぞ、わたくしを弔っていただきたいと思います。
「木陰を旅の宿とすれば、花がその宿の主」と詠みましたが、この花の主(今宵の宿の主)は、ほかでもないわたくし忠度なのです。

という現代語訳になります。
この中の「花は根に帰るなり」という箇所は、千載集の和歌から、引用されています。

花は根に 鳥は古巣に 帰るなり
    春の泊まりを 知る人ぞなき
                    崇徳院
春が終われば、花は根に、鳥は古巣に帰るという。でも、春の帰り着くところを知っている人はいない。いったいどこに泊まっているのであろうか。という崇徳院の惜春の歌です。
美しい~。院のお歌は本当に趣があって、素敵です。
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暑ささえ忍べば、素晴らしい舞台でした。 アンケート用紙に今後観たいものがあればと書かれていましたが、二の丸御殿といえば、大政奉還のシーンを再現してほしいような・・・。徳川 慶喜が亡霊となって現れ、無念の思いを語るなんて能の演目もない事ですし・・・。

2013年09月25日

第49回「上京薪能」

9月20日 金曜日 
第49回「上京薪能」が白峯神宮で行われました。
第二部の開演に、なんとか駆けつけました。9-489.jpg
麗調会    箏演奏 「比良(ひら)」
幸流     独調  「屋嶋(やしま)」
金剛流    仕舞  「笠之段(かさのだん)」
観世流    舞囃子 「小袖曽我(こそでそが)」
大蔵流    狂言  「飛越(とびこえ)」
観世流    能   「天鼓(てんこ)」

フラッシュ撮影は、演目の妨げになるのでおやめくださいとのアナウンスがありました。え!それってフラッシュなしならOKという意味でしょうか?そこそこ撮ってらっしゃる方もあり、特にお咎めもないので、持参したコンパクトカメラで、撮影してみました。おっきいの持ってくればよかった・・・。(以下、手振れが激しい撮影となりました。)

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狂言は、千三郎さん予定だったのですが、急遽、逸平さんに代わられたとの事。

観世流 能 「天鼓」
ワキは、原 大さんです!9-487.jpg
この演目は、ずっと観たいと思いながら、機会に恵まれなかったものです。

天から授かった鼓と共に成長した天鼓は、鼓を差し出すようにという帝の命に背き、山中に隠れます。すぐに捕らえられた天鼓は呂水に沈められ、鼓は宮中へと。しかし主を亡くした鼓はいっこうに鳴りません。天鼓の父が打てば鳴るであろうと宮中に老父が召し出されます。

シテは、河村晴久さん9-486.jpg
亡き子を思う父は、宮中に上がり、薄氷を踏む思いで鼓に近づきます。打つと、鼓は妙音を発します。老父は後ずさって、撥を取り落とし、崩れるように座り込みます。

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やがて管弦講の弔いが行われると、天鼓の亡霊があらわれ、弔いに感謝し、無心に鼓を打ち鳴らし、舞を舞います。そこには、現世の怨恨などの情念などはなく、ただひたすら解放された精霊の姿があるのみ・・・。
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十六夜の月も舞殿の後ろに上がってきました。9-483.jpg

月の光に照らし出されて・・・だと風情もひとしおなのですが、舞台用スポットライトに照らされて、面がまぶしい感じです。9-482.jpg9-481.jpg
崇徳院も几帳の後ろから、ご覧になっていらした様子。
今年も良いお天気でよろしゅうございました。
至福のひとときをありがとうございました。9-480.jpg
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2013年07月20日

片山定期能 2013年7月

7月15日
描き上げた帯を締めて、観世会館に向かいました。8-213.jpg8-211.jpg
片山定期能 7月の公演の演目は以下の内容です。8-203.jpg
最初は能「小督」です。以前にも見た事があるはずなのですが、覚えていません。今回はしっかり、脳裏に刻み込もうと、お舞台を観ます。

ワキの勅使が、小督の失踪を述べて、高倉の院がお嘆きで、嵯峨野あたりにいるという噂をお聞きになり探し出すようにとの勅諚を受け、シテ 弾正大弼源仲国を呼び出します。
仲国は、折から八月十五夜、小督はきっと琴を引かれるでしょうから、その音を便りに捜すことにしましょうと答え、院の下さった寮の御馬に乗って急ぎ出かけます。
中入の後、舞台は嵯峨野の小督の隠れ家となります。「想夫恋」の曲を引くその音色と片折戸(片開きの門)を頼りに、仲国はようよう訪ねてきます。
会うまいとするツレ 小督を、トモ 侍女がとりなし、内に入って、院の文を渡します。小督は院の思召しに感泣し、文の返事をしたため、名残を惜しんで、酒を勧めます。仲国は舞を舞って、小督を慰めた後、馬に跨って帰ってゆきます。

この名月の嵯峨野の情景を、頭の中に思い描けるかどうかが、お舞台を楽しめるかどうかの分かれ目でしょうか?
簡素な作りの門片折戸を開けて、内に入る小督と侍女。侍女は背が高いので、屋根にぶつかりはしないかしらなどと思ってしまいましたが、そんなことはもちろんなくて、静かに戸を締めます。私だったら、あんな面をつけていたら、華奢な門ごと押し倒してしまいそうです。すっかりお笑いモードになってしまいますが・・・。

10分休憩の後、仕舞とあってロビーに出ると、皆さん一斉におにぎりなどを食べ始めます。久しぶりの会館なので、ちょっと二階も見学。椅子がこんなにあったかしらん。ランチタイムで、大賑わいです。サンドイッチやお弁当、お茶を準備されている軽食スペースもあって、盛況です。ランチには短すぎる休憩時間ですが、手短に終えて、皆さん席に戻られます。私もおにぎりをほおばるうち、開演のベルが鳴ってしまったので、仕舞「笹の段」を一つロビーのテレビモニターで拝見するはめになりました。二つ目の仕舞「船弁慶」を後ろの方で立ち見、能「夕顔」の前に席に戻る事が出来ました。

源氏物語の夕顔を主題とした能は、この「夕顔」の他に「半蔀」があります。「半蔀」が舞台設定を夕顔の住まい、光源氏が車を止めて、花を所望した場所にしていて、昔を懐かしく回想しつつ舞いを舞うのに対し、「夕顔」は、場所を何某の院(かつて融大臣が住まいしていた河原の院)、夕顔が物の怪に襲われ、息絶えた所にしていて、その非業の死を語り、僧の弔いに救われるという少し重い感じです。
前シテも後シテも片山信吾さん(現5世井上八千代さんのいとこ)です。前シテが、僧に説明をするあたり、動きが扇風機が首を振るような静かさと感じてしまったのは、あまり良い例えではないかもしれませんが、ちょっとそんな連想をしてしまいました。後シテは、登場から美しく、ほぼ正面の席に座っていたので、舞台前方に進み出られた時には、なんとも圧倒される美しさでした。装束の色合いといい、面の美しさといい、エンドルフィン大放出の至福の時を過ごせました。

狂言「杭か人か」単純に楽しめました。仕舞「班女」は、人間国宝の片山幽雪さん(現5世井上八千代さんの父)昭和5年のお生まれ。薪能で観て記憶に新しい演目です。続く仕舞は、息子の九郎右衛門さんによる「阿漕」さすがによく似ていらっしゃる。

ラストは、能「小鍛冶」

夢のお告げを受けた一条天皇の命により、刀匠として名高い三條小鍛冶宗近が、狐の精霊の姿で現れた氏神の稲荷明神の相鎚により、名剣「小狐丸」を打つお話です。
本舞台は野外の舞台と違って、囃子方の音も、床を踏み鳴らす音もよく響きます。前シテの声より、囃子方の勢いの方が強い感じです。後シテの霊狐の登場で、ますます激しく鳴り響きます。以前は白頭を観たような記憶。狐のたてものを付けていて、可愛かったのですが、今回は黒頭。ちょっと重い感じでしょうか。
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祇園祭「長刀鉾」の上に上げられている長刀も宗近の作とされています。実物は宝物として町内に保存されているようですが。

お土産に、売店で販売されていた能面ぬりえを購入しました。8-202.jpg
ぬり絵をして切り取り、ゴムを付ければ、能面の出来上がり。シテ方ごっこをして遊べます。楽しいかも~。

2013年07月03日

御戸代会神事薪能

7月1日 上賀茂神社で、御戸代会神事薪能が催されました。8-263.jpg

毎年、7月1日に行われているこの能は、奈良時代 孝謙天皇の御代(750年)に起源を持っている長い歴史のある行事であるそうです。8-262.jpg

第42回式年遷宮にあたり、重要文化財・細殿(ほそどの)のお屋根が無事 に葺き替えらた事を記念して、それまで庁ノ舎で行われていた能を、平成23年より細殿において、薪能として開催されるようになったそうです。過去2回は、賀茂別雷大神(かもわけいかづちのおおかみ)がお喜びのあまり、雨をお降らせになったそうですが、今年は大神も落ち着かれたご様子にて、絶好の天気となったとの、宮司さんのご挨拶でした。8-261.jpg
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神事という事で、最初の素謡は、神歌です。その後、仕舞「鶴亀」「羽衣」と進み、火入式。かがり火が両サイドに焚かれます。狂言「魚説教」のあと、能は「安達原」観世流です。(他の流派では、「黒塚」といいます)

熊野の山伏が東北の安達原で、宿を借ります。女主人は夜すがら、麻糸を糸繰り車で巻き取って紡ぎ、その侘しい暮らしぶりを嘆きます。そして、あまりに寒いので、山へ行って薪を採ってきましょうと言って出掛けようとしますが、留守の間、くれぐれも私の寝室をご覧にならないようにと念を押して出掛けます。覗くなと云われれば、よけい気になるもの。山伏の従者が、不審に思い、中を覗くとそこには、人間の死体が山と積み上げられています。山伏も驚き、これは鬼の棲家かと気付き、逃げ出します。これに気付いた鬼が追いかけてきて、恨みを言い、襲い掛かります。山伏たちはその法力で、必死に戦います。やがて、鬼は力を弱め、闇にまぎれて消え失せます。8-260.jpg

500人ぐらいの観客で、この季節にしては、着物姿が多いようです。私も安達原に合わせた装いにしてみました。8-265.jpg
単衣の小地谷紬に糸巻きを刺し子でデザインした帯、手持ちの般若の根付に金具を貼り付けて、帯留に作り替えました。8-264.jpg
鬘帯(女役の鬘の上から巻いて後ろで結び、長く垂らす帯)風の帯締めに通してみました。これで、気分だけは、シテ方です(^^)8-259.jpg

(写真右端のライトは上演中は点いていません。帰り道を照らすために終演後に点けられたものです。)
細殿の天井などに、明かりが灯されている他は、薪の明かりなどの中での上演とあって、次第にあたりも暗くなり、建物の柱も多いので、本当に山中の一軒家を見ているようです。
糸繰りをする年配の女性は、上からの光で、ますます頬がこけ、一層やつれた風に見えます。薪を採りにと橋掛かりまで進んだ後、静かにゆっくりと振り返ります。そこで、ためて、ためて、しっかりためて、すくっと、元に直り、立ち去ります。情念がどわ~と・・・といった感じで、妖しい気配が漂い、結構怖い瞬間です。

わき方の阿闍梨祐慶は、また原 大さんです。寝室を見たいという従者を諌め、早く微睡めと言って、自分も扇をかざして、微睡みます。8-258.jpg

逃げ出す山伏に気付いた鬼女が、打って変った姿で、揚幕からふいっと姿を現し、すぐ引っ込みます。そして、再び急ぎ出てきます。
「いかにあれなる客僧 止まれとこそ、」背に唐織を巻いた柴を背負っているのが、なにやら悲しくもあります。途中で立ち止まって、その柴をかなぐり捨て、舞台に入ります。打ち杖を振り上げて、襲い掛かる鬼女に、数珠を揉み続け、呪文を唱える山伏。激しい闘いが繰り広げられます。
(きゃー、原さん 頑張って~!)とは、私の内なる声です。決して口には出していません・・・。

やがて、弱り果てた鬼女はよろよろと、浅ましや、恥ずかしの我が姿やと、言う声だけはまだ凄しさを残しつつも、夜嵐の音に紛れて、消え失せたのでした。
でもって、鬼女が立ち去るところで、思わずよかったよかったと拍手したい気持ちに駆られるのですが、ここは、しばし我慢です。ちょっと気を静めてとお舞台に目を向けると、そこにはまだ鬼女が立ち去ったあとの余韻が、見送る山伏たちの姿があります。危うく難を逃れた山伏たちは、静かにその場を離れ、次の宿が見つかるものかどうか、闇の中、旅は続いてゆきます。 拍手、拍手。

鬼女は、閨を見られなかったならば、持ち帰った薪を焚いて、何事もなく、山伏たちを送り出したのか、それとも、閨を見るように仕向け、始めから捕って食う腹積もりだったのか?どんな人生を送って、終には鬼と化したのか?はたまた最初から鬼として生まれ、糸繰りなどして見せたのは、欺くための偽りなのか?くるくる回る糸繰り車は輪廻転生を現しているようであり、鬼女がまた人食いを繰り返す予兆のようでもあり。約束を破られる毎に、怒りと悲しみが繰り返し訪れ、どうにも制御できない感情を増幅させてゆくのか?姿を消した鬼女はまたしばらくすると、回復して、また糸繰りをし始めるのか?どんどん考え出すと止まらない感じです。

それにしても、高い木々に囲まれた境内の中、どんどん暗く背景が沈んでゆき、薄明りに浮かび上るお舞台は、幽玄そのものです。演目が演目だけに、能特有の少ない舞台設営にもかかわらず、リアリティがあり、脳裏に焼き付いた舞台となりました。

2013年06月07日

2013 第64回 京都薪能 第2日目

第64回 京都薪能 第2日目

観世流能「賀茂」
観世流半能「三山」
大蔵流狂言「首引」
金剛流能「大江山」

2日目は、休日とあって、着物で出掛けました。葉っぱ柄の単衣小紋の着物に童が舞を舞っているデザインの塩瀬名古屋帯にしてみました。8-335.jpg
今回は12時半に着いたので5番目に並べましたが、4時半開場までの長丁場、平安神宮門前脇で着物での座り込み、我ながら毎年ようやるわ~て感じです。8-334.jpg
さすがにこのような時間からやってくるのは常連組で、見知った顔ぶれが多いです。8-333.jpg
ようよう開場となり、好きな席も取れて、ルンルンお弁当です。8-332.jpg
太子道の魚常さんにお願いしました。8-331.jpg
おお、今年はゴージャス版です。

能「賀茂」は、賀茂神社の由緒を題材にした、脇能です。昨日も上賀茂神社が舞台となる「班女」が上演されましたが、背景を想像しやすい演目は入り込みやすくていいですね。まあ、時代は違うのですけど。角(すみ)柱とキザハシの間の席に座ったので、シテ方が、舞台前方に進み出てこられると、真ん前になり、面の中の演者と目が合ったような気がしてなにやらドキドキしてしまいました。

半能は「三山」 畝傍・耳成・香久の大和三山に住む一男二女の三角関係の物語。若い桜子をそねむ年増の桂子。能面の下に演者のがっちりした顎が見えているにもかかわらず、舞台にのめり込むうちに、美しげな女人のいさかいに見えてしまうのは、能面のせいか、演技力の成せるわざか。桂の枝や桜の枝で打ち合う様はなんとも風雅です。8-330.jpg8-329.jpg
確か少し前までは、舞台を仕切っていた竹の柱は4隅だけでしたが、このところ向かって右側手前にワキ柱が立ち、地謡の方々の座る地謡座が仕切られたようです。かつては後方に座ると、演者の声が聞き取りにくかったのですが、マイクも多くてクリアになったのか、後ろの方にいてもよくわかるようです。今回1日目は囃子方席は、笛の上方にのみマイクがぶら下がっっていたのですが、2日目は太鼓の上の方にもぶら下がりました。日々、工夫されているのですね。桟敷の板張り席が無くなって、パイプ椅子が隙間なくびっしり並べられてしまったのは、かなり窮屈になってしまいましたが・・・。日本人の体格は向上しているので、パイプ椅子の巾では収まらない人が増えているようですし、外人さんも多いので、完全に無理があるようです。考慮して頂きたいところです。

狂言「首引」 娘を持つ鬼が、なかなかイケメンの若者を捕えます。まだ人間を食べた事のない娘の「お食い初め」にしようと生け捕りにして、娘を呼び出します。花も恥じらう娘盛りの姫鬼は、生きた若者が怖いやら、気恥ずかしいやら、なかなか食う事が出来ません。若者は何とか難を逃れようと、姫鬼と力比べをして、負ければ食われよう、勝てば命を助けてくれと交渉します。腕押し・すね押しそして首引きと勝負する様が、愉快な演目です。
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エンディングは、能「大江山」 源頼光さん、平井保昌さんらの鬼退治の話です。この曲目はワキ方が大活躍します。シテ方は面をつけてらっしゃるので、私としては演者個人を意識しにくくて鬼そのものとか思ってしまうのですが、ワキ方は素のままで演じられるので、個人を認識しやすくて、身近に感じてしまいます。頼光さんたちが、鬼をやっつけた時には、思わず「きゃー、頼光さん~、原さん~」って拍手してしまいそうでした。何せ、鉢巻などを凛々しく締めてらっしゃって、立ち回りなどされると、かっこいいのなんのって・・・。今度お見かけしたらサインしてもらおうかしらんなんて、ほとんどミーハーです。

かくして、2日間に亘る薪能も興奮の内に、無事終了しました。立ち上がって後ろを見回すと、すぐ後ろの方たちは、上京薪能でもお見かけした日本人より日本人らしいお着物外人さん方でした。8-328.jpg

2013年06月05日

2013 第64回 京都薪能 第1日目

今年も、平安神宮の薪能を観に行きました。第64回の今年は~神・鬼・恋~をテーマの演目となり、観たい曲目が一日目にも二日目にもあったので、ちょっと疲れるけれど、二夜連続観劇することにしました。8-343.jpg

早くからの梅雨入りで、天候が危ぶまれましたが、予定通りに無事開催されたのは、皆様のお祈りのせいかしらん?一日目は営業日だったので、順番待ち行列参加が遅くなりましたが、なんとか最前列ゲットしました。8-342.jpg
第1日目
観世流能「玉井・貝尽」
金剛流半能「班女」
大蔵流狂言「お茶の水」
観世流能「恋重荷」

最初の曲目の「玉井・貝尽」は、海幸彦・山幸彦の神話を題材としています。彦火々出見徹尊(山幸彦)は、兄から借りた釣針を探しに海へと入って豊玉姫と出会います。貝の精達が二人の婚礼を祝い、酒宴を繰り広げた後、海神の宮主が大きな釣針を持って現れます。大龍の冠を戴いた宮主が舞を舞う前後では、ぱらぱらとした小雨になり、ちょっとはらはらしましたが、龍神様が引っ込まれるとそれも収まり、火入式となりました。8-341.jpg
観たかった「班女」は半能で、端折られていたのは残念でしたが、暮れ始めた空と薪の中に、糺の森で舞う花子が浮かび上り、幽玄の世界を満喫出来ました。お相手の吉田少将はいささか高齢のご様子で、扇と顔を見合わせ、再会を静かに喜ぶ姿が奥ゆかしくもありましたが、再会までの歳月が長すぎたのではないかしらんと余計な勘繰りをしてしまったのは、私の想像力不足かしらん。班女を題材にしたお気に入りの着物を着て行けなかったのもちょっと残念ではありました。8-339.jpg
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今年はパンフレット購入の際、いつもサインをお願いする茂山宗彦・逸平兄弟が不参加の為、静かなスタートとなってしまい、残念でした。
狂言「お茶の水」は、若い僧の恋の物語 千作さんが亡くなられたばかりの千五郎家御一家によるものです。千作さんは、この平安神宮で「福の神」を演じられたのを観たのが、最後となってしまいましたが、とてもすばらしくて、今でもしっかり脳裏に焼き付いています。演じているというより、福の神そのものでした。ご冥福をお祈り申し上げます。
ラストの「恋重荷」 こちらも観てみたかった曲目です。老人が、若くて身分の高い女性に恋をしてしまいます。類似した曲目に「綾の鼓」があります。弄ばれた老人が鬼神となって最後まで恨みつらみを云って去っていくのに対し、この「恋重荷」では、最後は貴妃の守り神となろうと云って終わります。個人的には昇華してしまうのが好きですが、執念の行きつく先の恐ろしさも見たいようでもあります。
「持てども持たれぬそも恋は何の重荷ぞ」持てるはずもない荷を持ち上げれば、一目女御に会えると、あはれにも持ち上げようと試みる様とその後の落胆・怒りがひしと伝わってきます。

女御としては迷惑な話で、無理ですから諦めて、そんなに色に出るような振る舞いはおやめくださいという気持ちを、持ち上げられない美しい荷で伝えようとしたのではとも思うのですが?女御の若さ、高貴さゆえの残酷さ、浅はかさと、舞い上ってしまった老人のうぶすぎる思い。
老人にしては、女御の気持ちを推し測れないというのも思慮に欠けるとも思えるのですが、恋をしてしまった老人には、辱められたとしか思えないのでしょうね。女御は思慮に欠けているのですが、美しすぎて存在そのものが罪作りです。老人にとっての重荷が、死なれてしまっては女御の重荷へとすり替わってしまったようにも思えます。あれこれ考えてしまう題材です。
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2012年09月22日

2012 第48回上京薪能 

9月21日 白峯神宮秋季例大祭が執り行われました。夕刻よりは、観世流と金剛流の能楽と大蔵流の狂言等が、薪の中、特設舞台で催されますが、今年は、平家物語を主題に、とりわけ白峯さんの御祭神である崇徳院にまつわる演目が上演されるとあって、心待ちにしていました。7-724.jpg
前売り券をこちらで購入する際にお参りして、崇徳院にくれぐれも台風など呼ばないで下さいねと、申し上げておいたのがお聞き届け頂いた訳でもないでしょうが、今年は、無事さわやかなお天気と相成り、着物でも過ごしやすかったです。単衣の小紋に烏帽子と扇の帯を合わせました。7-729.jpg
一部はお社中による舞台、私は仕事を終えて、二部に間に合いました。7-728.jpg
火入式が行われ、雰囲気が出てきました。7-727.jpg
邦舞 「屋島官女」からです。平家が壇ノ浦で滅びた時に、そこに留まり、海女となって、魚を売ったりして生計をたてていた元官女たちを主題としたものです。こういう人たちもいたのだなと情景が浮かぶようです。7-726.jpg
平家物語にまつわる演目が続き、最後が金剛流 半能「松山天狗」です。7-725.jpg
観世流では平成6年に復曲した際、少しアレンジされたそうですが、金剛流では、明治に既存の台本のまま復曲させたという話です。
西行法師が、保元の乱に敗れ讃岐の松山へ流された崇徳上皇が崩御されたとの知らせを聞いて跡を弔うために訪ねていって、詠歌を手向けるまでが、第一場ですが、今回は、半能なので、その前半を軽く語って、第二場となります。
中央の山の作物の中から崇徳院が西行に声を掛けます。
「いかに西行。これまで遥々下る心ざしこそ、返す返すも嬉しけれ。
又唯今の詠歌の言葉、心に染みて面白さに、いでいで姿を現さんと、」
わくわくしながら見守る中央の作物の引廻が解かれ、院がそのお姿を現されます。
崇徳院が乗り移ったりなさらないものかしらんと、ドキドキしてしまいます。
もしかしたら、面を付けた時にすでに、うつられたやもとか考えるのは、私だけでしょうか。
囃子方も一層熱を帯び、院は舞を舞われるうちに、憂き事を思い出されて、ふと激しいご様子となり・・・。
天狗たちが現れ、院の荒ぶる気持ちに呼応して舞い踊り、院も喜ばれて御言葉を掛けられ、天狗たちは、頭を地につけ拝し奉り、これまでなりと・・・、明け行く空も白峯の、明け行く空も白峯の梢に、また飛び翔って、失せにけり。

気持ちが高揚したまま、舞台裏に隠れた拝殿にお参りして、帰ってまいりました。帰り際、全員着物姿の外人さん方が目に留まりました。皆さん上手に着こなしてらっしゃって、素晴らしかったです。

2012年08月08日

金剛家 能面・能装束展観

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エアコンのなかった時代、上演の少ない8月に装束の虫干しが行われていた風習から、現在もこの季節に虫干しが行われているとのことで、毎年 金剛家では、虫干しを兼ねた「能面・能装束展観」が行われています。
11時からの若宗家 金剛龍謹氏による解説に間に合うようにと、いそいそと出掛けました。なにせ、能面つけないで~て感じのイケメン若宗家でらっしゃいますから・・・。
ロビーで真近にみる事のできる装束の数々、唐織の装束はとりわけ重厚感と豪華さに感動ものです。長い年月に深みを増した色合いがまた味わい深く感じられます。
舞台いっぱいに並べられた能面、扇、装束の間を行きつ戻りつ、若宗家の解説が始まりました。
能見物をした際に、身分ある者が祝儀として着ている小袖を脱いで演者に与え、拝領した役者はそれを着て舞台を務めた。この習慣から最初は質素であった装束が次第に豪華になっていき、今に伝わっているとのお話でした。若宗家は今年から、自身の能の会も発足され、ますます楽しみです。
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記念に、羽衣のグリーティングカードと小面「雪」のポストカードを買い求めました。
9月に白峯神宮で開催される上京薪能での金剛流の演目は、崇徳院を描いた「松山天狗」のようなので、今から心待ちにしているところです。

2012年06月28日

京都で出逢える、感動エンターテイメント『ギア』

6月25日 三条御幸町のART COMPLEX1928で、開催中のパフォーマンス『ギア』を観に行ってきました。7-884.jpg
閉鎖された工場を舞台に、5人のパフォーマー達が繰り広げる複合エンターテイメントです。

台詞を一切使わず、バトントワリング、ブレイクダンス、マイム、マジックの分野から世界レベルのパフォーマーが集結して繰り広げられるステージとして、テレビ、ラジオなどで紹介されていたものです。

あまり広くない会場は満席で、若い人ばかりかと思っていたら、意外と年配の観客も、お子様もいました。
ステージから発せられるフレッシュなエネルギーに、いつしか気分は若返り、手拍子をしたり、手を振ったりと盛り上がってしまいました。
このところ伝統芸能ばかり観ていたので、久しぶりに違う感じの高揚感がありました。食べて飲んでから、観に行ったにもかかわらず、1時間の公演の後、また飲んで、食べてとちょっとハイになってしまいました。好評につき、7月も延長して行われるようです。

2012年06月08日

第63回京都薪能

6月1日 恒例の平安神宮での薪能を観に行ってきました。7-952.jpg
ちょっと出掛けるのが遅くなってしまったので、今年は最前列無理かも~と思っていたら、出足が遅かったようで、ほぼ定位置をキープ出来ました。7-949.jpg
パンフレットを買って、これまた定番の茂山宗彦・逸平兄弟のサインをゲットしました。
茂山逸平氏7-944.jpg

茂山宗彦氏7-943.jpg
今年のお弁当は、和久傳さんの「むらさきの」です。7-951.jpg7-950.jpg
煮物が結構大振りです。ぱらぱらと通り雨が降り、お舞台はしばしシートに包まれましたが、開演時には晴れ、さわやかなスタートとなりました。今年は雨天 京都会館というパターンはやめて、元のように順延する事にされたそうです。まあ、会館だと薪能の風情が無くなってしまいますからね。
今年は源平衰退と題しての演目です。源の字の方が大きくて、演目も源氏寄りのような気がするのだけど・・・。
最初の演目は、金剛流の『安宅』です。都落ちした義経・弁慶一行が、安宅の関を突破するいわゆる勧進帳です。歌舞伎では何度も観ている演目ですが、お能で観るのは初めてです。
体格のがっちりした、金剛永謹さんの弁慶は、はまり役ですね。義経の郎党役で、息子の龍謹さんが出てらして、その小顔で、ほっそりした感じを眺めながら、二~三十年したら、お父さんみたいにがっちりするのかしらん?などと余計な心配をしてしまいました。
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結構風があって、なにやら、長く仕舞い込まれていた装束の匂いが漂ってきました。大勢の山伏が並ぶ演目は久しぶりなのかしらん?7-948.jpg
火入式が済むと、徐々に空の色が移ろってくる中で、観世流『二人静』です。薪の向こうの橋掛かりを進む静御前が揺らいで、まさに幽玄の世界です。一日目には、『吉野静』二日目は、『二人静』と静御前の演目が重なるのは、やっぱり風情と人気があるからでしょうか?

狂言『柑子』(こうじ)
こうじみかんを食べてしまった太郎冠者の言い訳に俊寛が出てきます?
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すっかり暗くなって最後の演目は観世流『碇潜』(いかりかずき)船出之習(ふなだしのならい)です。壇ノ浦での平家滅亡シーンです。二位尼や安徳帝が船に乗って出てきます。安徳帝が、女の子でとっても可愛かったのが、せつない感じです。

見えたる波の底に 竜宮と申して 
めでたき都の候 行幸なし申さんと。
泣く泣く奏し給えば 
さすがに恐ろしと思いしけるか 
龍顔に御涙をうかめさせ給いて 
東に向はせおはしまし 
天照大神に 御暇申させ給ひ 
その後西方にて 御十念も終らぬに 
二位殿歩み寄り玉體を抱き 
目をふさぎて波の底に入り給ふ

安徳帝入水を見届けた平知盛が大長刀を振り回し戦うも、
今はこれまでと碇の大綱をえいやと引き上げて、
兜の上に碇を頂いて海底に飛んでぞ入りにける~
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今年もつつがなく観劇できて幸せな限りです。平家物は、出来れば白峯神宮で行われる上京薪能の際に、崇徳院と西行の『松山天狗』を、寂光院で『大原行幸』を観てみたいものです。

2011年06月18日

第62回 京都薪能

掲載するのが随分、遅くなってしまいましたが、6月3日に第62回 京都薪能を観てきました。6-820.jpg
今年は、従来の桟敷席が無くなって、全席椅子となっていました。想定外!お弁当が、ちょっと食べにくい・・・。来年から2段のお弁当ではなく、平たいタイプにしなくては(^^)お舞台の方も、少し高くなっていました。(そのうち、指定席になったりするのかしらん?)

最前列正面右寄りに席を取り、ほっとしてお弁当を開いたところへ、茂山逸平さんがパンフレット売りにやってきました。恒例のサインをゲットせねばと、先ほど購入したパンフレットを探すも見当たらず、じたばたしていると、「もう1冊いかが?」と逸平さん。よくよく考えてみると、ちょうど良い硬さだったので、鞄の上にパンフレットを置き、その上にお弁当を広げてしまっていました(^^)「パンフレット、弁当の台ですか!?」と可笑しがる逸平さんでした。いやはや・・・。6-823.jpg
今年は国民文化祭開催記念ということで、まゆまろ君とまゆこちゃんが、火入れ式にやってきました。お二人は撮影OKのようで、正面に立っているまゆまろ君にカメラを向けると、ポーズを撮ってくれました。6-822.jpg
一応、見えてるのですね。暑い中、ご苦労様です。

2日は、火入れ式の後の「羽衣」の途中で、ぱらぱらと雨が降り出し、以降の演目が中止となり、その直後、一気に雨が降って、大変だったそうですが、3日は穏やかな空模様で、演目もつつがなく進行してゆきました。
薪能といえば、揺らめく炎の中、幽玄な美しさがより引き立つ為、好んで毎年観に来ているのですが、今年は右手に座った為か、妙な発見をしてしまいました。
舞台の左右の薪を二人の方がそれぞれ火を絶やさぬよう、くべてゆくのですが、右手の火がなんか、しょうびんやな~という感じだったのです。(「しょうびん」というのは、祇園言葉で、貧相なといった意味合いです。)
火ぃ、小そなるまでほっとかんと、はよ、まき どんどんくべてぇな~。気分盛り上がらへんやん。と内心思いつつ、ちらちらとその動きを観察してしまいました。右の係りの方は、火ばさみを使って、薪をへの字のように、真ん中に寄せるように、持たせかけていかはるのに対して、左手の方は、素手で逆ハの字のように薪を四方から差し込んでいかはるのです!結果、左手の火は、ゆらゆら揺らめき、右手は細々と燃え立っていたのです!そら、あかんわ~。薪入れるタイミングだけやのうて、基本的に違うてるわ~。と、合点がいった次第でした。ガッテン!ガッテン!6-819.jpg
そうこう、気が散っているうちにも、舞台はどんどん進行してゆきます。
2日間の内、3日の日に観ようと決めたのは、狂言「金津」を観るためでした。子役が必要な演目で、千五郎さんと、その孫の虎真さん(5~6歳)の共演を観たかったのです。
可愛いお地蔵様役です。詐欺師役の千五郎氏が、息子をお地蔵様になりすまさせようとたくらみ、舞台へと息子を呼び出します。「息子やなくて、孫やん」と、小声で突っ込みを入れてしまいました。可愛いくて、たまりません。パンフレットのお地蔵様は、逸平さんの子役時代の写真が使われていて、「古い写真ですね。」と言ったら、「僕以降、子供いなかったから、これでも新しい写真です。」との話でした。そういえば、確かにそうでした。このところ、千五郎家も七五三家も男のお孫さんが、生まれているので、当分は子役ラッシュになりそうで、楽しみです。
ラストの演目は、半能の「石橋」。紅白の獅子が豪快に舞う姿を目に焼き付け、また来年。6-821.jpg

2010年09月22日

第46回 上京薪能

9月21日、今出川堀川東入るにある白峯神宮において、第46回 上京薪能が催されました。御祭神である崇徳天皇・淳仁天皇の霊をお慰めし、京の文化遺産を継承するために昭和34年より、境内にて開催されています。821.jpg
能、狂言、舞楽に筝曲という多彩な古典芸能が繰り広げられます。第1部は午後4時開演で、各社中の方の日頃の練習成果発表といった感じで、第2部は、午後5時45分より挨拶と火入れ式に始まってプロによる演目となります。
文化振興会会長と上京区長の挨拶で、少しは両天皇に係るお話があるかと思ったのですが、そのあたりは完全にスルーされてしまったのが、個人的には物足りないところではありました。820.jpg
いちひめ雅楽会による舞楽は、「打球楽」という演目で、平安時代に行われていたポロのような球技(打球)の姿を舞にしたもので、球技全般の守護神でもある白峯さんらしい演目でした。平安の御世を彷彿とさせる雅な姿に、うっとりしてしまいました。

筝曲の演奏は、十七弦と尺八を交えての「琉球民謡による組曲」というもので、沖縄のメロディーを琴で聞く珍しい演目で、楽しめました。

観世流・金剛流の仕舞や舞囃子のあと、狂言は大蔵流の「因幡堂」、エンディングは観世流能「殺生石 白頭」でした。
鳥羽院の寵愛を受けた玉藻前の話は以前に取り上げましたが、その正体をあばかれ、逃げた那須野で、その執心が殺生石となり、生き物の命を奪い続ける事を取り上げた物語です。
この演目を観たのは初めてでしたが、唐織の着流し姿の中に鱗模様の摺箔が怪しく光る前シテは石魂という設定のため、ほとんど動きがないのですねぇ。817.jpg
(上演さなかに毒が回って、座ったまま亡くなったのではないかしらと京都サスペンス的妄想が頭をよぎってしまいました。縁起でもない発想で、すみませんm(_ _)m
崇徳天皇を叔父子といって嫌った鳥羽院の寵愛をうけた玉藻前を演じている訳ですから、崇徳天皇の執心が舞い降りてきて・・・。などと、バカな事を考えているうちに、前シテは立ち上がり、舞台から消えてゆきました。)819.jpg
月の光が松の間から差し込み、蒸し暑かったものの美しい夜でした。上演はつつがなく終了し、舞台に隠れてしまった本殿に回り、崇徳天皇に御相伴にあずかり、この上ない幸せでございましたと感謝の意を表してから帰途につきました。818.jpg

2010年06月09日

第61回京都薪能 -舎利(金剛流能)-

薪能 最後の演目は金剛流能の「舎利」でした。陽も とっぷりと暮れて薪の暖かさが心地よく感じられました。p6802.jpg
この演目の舞台となるのは、泉涌寺の舎利殿で、2月に訪れ、謡曲の場面を想像して、その気分を満喫したばかりでしたから、イメージも膨らみやすかったです。p7697.jpgp7696.jpg
あらすじは2月の泉涌寺 舎利殿のページをご覧下さい。http://www.zuzu.bz/ownerblog/2010/02/post_461.html
泉涌寺の舎利殿は、開山俊律師が熱願された舎利を、弟子の湛海律師が安貞2年(1228年)に宋朝より将来し遷座した貴重な霊殿です。足疾鬼がこの仏舎利を奪い取って逃げるのですが、この舎利信仰というものが、不信心な私には今一ぴんとこないところなのです。
そもそも仏舎利(ぶっしゃり)とは、入滅した釈迦が荼毘に付された際の遺骨及び棺、荼毘祭壇の灰塵を指すもので、お寿司屋さんの「しゃり」の語源でもあるといいます。
日本に仏教が伝わった時には仏像や経典が中心であったようで、その後の日本書紀の記述で舎利を納めた事も記されています。その後、空海が大量の仏舎利を持ち帰って以降、日本において仏舎利信仰が再燃したようです。ふーんとか思っていたのですが、先日「鬼龍院花子の生涯」を久しぶりにテレビドラマバージョンで見て、ちょっとその信仰の理解への糸口をつかんだように感じました。

名セリフ「なめたらいかんぜよ!」と観月ありさが言い放って、警官を払いのけ立ち去るシーンですが、死んだ恋人の遺骨を分けてもらいたいと庭に土下座して頼む松枝に、すげなく追い出そうとする遺族。
啖呵を切ってその場を立ち去るも、どうしても遺骨がほしかった松枝の気持ち、死んだ兄の気持ちを察し、妹が追いかけてきて、分けとった遺骨を差し出す場面。
恋人の遺骨なら、どうしてもほしいという気持ちは理解できますね。恋人の遺骨とお釈迦様の遺骨では、ちょっと違うかもしれませんが、ニュアンスはつかめた様な?

2010年06月07日

第61回京都薪能 -六地蔵(大蔵流狂言)-

田舎者が辻堂を作り、そこに安置する六体の地蔵を作ってもらおうと都に出てきましたが、仏師の所在を知りません。仏師はいないかと大声をあげて探している田舎者を見て、スッパ(詐欺師)がからかってやろうと近づきます。自分が仏師であると名乗り出て、明日には地蔵ができるから、因幡堂で待ち合わせようと取り決めます。p6816.jpg
下京区不明門通松原上ル因幡堂町(烏丸松原上ル東入ル)に、因幡堂はあります。p6815.jpgp6814.jpg
翌日、詐欺師は手下を2人連れてやってきて、三人で六体の地蔵に扮してたぶらかそうとします。どうやって三人で六体になれるのかと思いきや、あちらに三体、また別の場所に三体、置いてあるから、見てまいられよと言って、先回りして地蔵に扮します。p6813.jpg
このあたりに並んでいたかも?
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田舎者は、ちょっと背丈が不揃いだし、印も変だと注文をつけると、詐欺師は、印を結んで念力で直してみせたからまた見てこいと言い、田舎者に地蔵を見せにやりますが、なかなか田舎者の気に入ったものにはなりません。何度か、直しているうちに、詐欺師らが地蔵に化けていることがばれてしまいます。逃げ出す詐欺師たち、追いかける田舎者。 やるまいぞ、やるまいぞ。

印をどう結び直そうかと迷う間もなく田舎者が来てしまい、中途半端な印になってしまいます。文句をつけられて、またあちらでやり直しと、どこまでも騙され続ける田舎者に、しまいには翻弄されているかのように舞台上を右往左往する詐欺師たちが見ものです。

2010年06月06日

第61回京都薪能 -半蔀(観世流半能)-

火入式が行われ、薪に火が点くと、そろそろと空の色も変化し始めます。最も移ろう中で半能「半蔀」が繰り広げられます。今回の薪能には副題が付いていました。
-京の古跡を歩く-というものです。ですので・・・

これは都 紫野雲林院南に 住居する者にて候
さても その古跡を訪ねばやと、思ひ候

「半蔀」というのは、源氏物語の中の夕顔の物語ですから、古跡などあろうはずがないかと思いきや、京の町には、現在も夕顔町という町名が残りおるとは、不思議やな!

ありし教えに従ひて 五条あたりに来て見れば
堺町通高辻下るの民家の前に「源氏伝説 五条辺 夕顔之墳」とい石碑が建っています。このお宅の奥には非公開ですが、墓もあるそうです。あら不思議やな
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(右隣のマンション名は夕顔です。)

半蔀とは、古い建築で、寝殿などの板壁の一種です。上半分を窓のように押し上げるようになっている蔀戸-格子の裏に板を張った雨戸です。舞台に小さな瓢がぶら下がり夕顔の蔓が絡まっている簡素な作り物がそろそろと運ばれてきます。夕顔の女の霊がその半蔀を押し上げて出てきます。
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さらばと思ひ夕顔の 草の半蔀押し上げて 立ち出づる御姿 見るに涙のとどまらず -略-
源氏この宿を見初め給ひし夕つ方 惟光を招き寄せ
あの花折れとのたまへば
白き扇の端いたう焦したりしにこの花を折りて参らする

扇には風雅なちらし書きで一首の歌が書かれていました。

心あてにそれかとぞ見るしらつゆの
   光そへたる夕顔の花

源氏の返し

寄りてこそそれかとも見めたそがれに
   ほのぼの見つる花の夕顔

夕顔の花の取り持った不思議な縁を回想して舞を舞い、
夜の明けぬ前にと また半蔀の内に入りて そのまま夢とぞなりにける

2010年06月05日

第61回京都薪能 -鞍馬天狗 白頭(観世流能)-

春の京都、鞍馬山。ひとりの山伏が、花見の宴のあることを聞きつけ、見物にやってきます。一方、西谷の能力が東谷へ使いに出ますが、途中で東谷の僧が稚児をつれてやってくるのに出会い、持参した花見への招待状を渡します。一行は西谷に来て、花見の宴を楽しみます。能力も小舞を舞います。そこへ先の山伏が居合わせていたことがわかります。興をそがれたような思いの僧たちは、ひとりの稚児を残して去ります。
僧たちの心の狭さを嘆く山伏に、その稚児が優しく声をかけます。山伏はこの少年が牛若丸であることを知っていて、その境遇に同情し、ともに桜を見て回ります。山伏は、この山に住む大天狗であると名乗り、兵法を伝えるから平家を滅ぼすようにと勧め、明日の再会を期して飛び去ります。〈中入り〉
翌日、牛若丸が薙刀を携えて待ち受けていると大勢の天狗どもを従えた大天狗が現れます。張良が黄石公から兵事を授かった故事を語り、兵法の秘伝を授けます。大天狗との別れを惜しむ牛若に、平家打倒に力添えする事を約束して消え失せます。
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(パンフレット写真転用)
最初の花見の場面には、能楽師の子供たちが大勢出てきます。歩けるようになるとまずこの役に出され、初舞台を踏む慣わしになっているそうです。しっかりした子もいれば、まだ幼い子などは、きょろきょろしたり、動きが合っていなかったりと、観ている方がどきどき、はらはらしたりしてしまいます。はいはい。よくできました。お疲れ~と見送ってふと舞台に目を戻すと、一人の子方が残っています。そうそう、牛若丸役はここから肝心やし、頑張ってねぇ。って感じです。そして大天狗が貫禄を見せ、牛若をいたわる感じが、一つの見せ場でもあります。
大河ドラマ「義経」で鬼一法眼を演じた美輪明宏さんを思わず思い出してしまいました。あのちょっと妖しい・怪しいニュアンスが良かったですね。

2010年06月03日

第61回 京都薪能 

6月1日 恒例の京都薪能に行ってきました。開場前に小雨が降り出し、会場変更が危ぶまれましたが、何とか通り過ぎた模様で、無事開場入りできました。今年から、雨天順延が取りやめになり、雨天時は京都会館で開催されることになったので、空しく帰るという事態が無くなったのは、一安心です。かなり前のことですが、何時間も並んでやっと会場入りしてお弁当だけ食べて中止が発表され、翌日は急用が入り、行けずじまいになった年がありました。p6828.jpg
1日の演目は、鞍馬天狗 白頭 (能 観世流)・半蔀 (半能 観世流)・六地蔵(狂言 大蔵流)・舎利(能 金剛流)でした。p6833.jpg
今年も、かぶりつきの席をゲットして、取り合えずお弁当とお酒。p6832.jpg
魚常の太子道支店さんにお願いしておいた観劇弁当です。p6831.jpg
ご飯はわさびのなめしご飯だそうです。p6830.jpg
隣のプロカメラマンの仕事をちら見しながら、近年、写真撮影が許可を受けた報道関係者だけで、一般は禁止になってしまった事をちょっと恨めしく思いました。
演目については、また後日・・・。

2010年05月16日

ふえふきねずみとあそびましょ♪ Vol.4

本日、5月16日(日) 福谷一美さんのコンサートが岡崎の原田観峰記念館にあるカフェ・ル・フジタで、午後3時より開演されます。

ふえふきねずみとあそびましょ♪ Vol.4 「いずれ菖蒲か杜若」 
と題してのフルートその他多数の笛と、ピアノの共演によるサロンリサイタルです。
昨年、お邪魔して、楽しく見・聴きさせてもらいましたが、今年は仕事中の為、伺えませんでした。
プログラムを送ってもらったので、ここに公開します。p6935.jpg
実は、裏面に私の花イラストが採用されています。p6934.jpg
いい感じじゃないですか(^^)って、自画自賛っぽい・・・。

2009年09月14日

ガラスの音色たち

9月1日 堀川寺之内上るの裏千家センター内の茶道資料館のミニコンサートに出掛けました。

こちらでは、時折、夕方にいろんなコンサートをされているようで、入館料500円のみで、短いコンサート(18時開場 18時半開演 約40分)を楽しむ事ができます。当日は資料館の展示も併せて観る事ができます。
7月5日の「ふえふきねずみさんのコンサート」の次回お知らせで見て、初めて近所でそんな催しがある事を知りました。

今回のコンサートは、「ガラスの音色たち」と題して、ふえふきねずみさんとそのお友達の方々のクリスタルな楽器による演奏会でした。

前回に見たクリスタルフルートに加え、アクエリオン・ツララチャイム・クリスタルパンパイムなる楽器も登場しました。
アクエリオンp8570.jpg
ガラスの板が並んでいる打楽器です。
ツララチャイムp8569.jpg
30本のガラス棒を並べたチャイムです。
クリスタルパンパイムは写真を撮りそびれましたが、ガラスの筒の並んだ管楽器です。
ふえふきねずみ こと 福谷一美 氏p8566.jpg
ご本人も、クリスタルです(^^)
伴奏は、北村麻也子 氏p8568.jpg
両足首にも、鈴系?の楽器を装着しての演奏です。p8567.jpg
佐藤実希子 氏も加わって、フルート2重奏でした。p8565.jpg

前回、音色が気に入った中国の笛子(ディーズ)までが、今回は、クリスタルになって登場していました。笛膜が張られたもので、独特の哀愁のようなものがあるのですが、クリスタルバージョンという手もあったのですね。

中継ぎで水を飲み、いつまでもコップを持っていると思ったら、コップが楽器に早代わり!
穴も開いていないのに、メロディーが生まれるのは、不思議です。帰ってさっそく真似てみましたが、フーフーと息の音がするだけで、何にも鳴りません。まぁ、素人には無理な芸当です。
次回のコンサート案内furu-to.gif
画像の拡大ご興味のある方は、ぜひお出掛けください。

2009年07月07日

ふえふきねずみさんのコンサート

7月5日 岡崎の観峰美術館の奥にある〈カフェ・ル・フジタ〉でのふえふきねずみさんのコンサートに出掛けました。
P8992.jpgプログラムが団扇になっていました。P8984.jpg
冒頭の写真はアルトフルートで、次の写真はフルートです。P8993.jpg
一部は、スタンダードな洋物楽器(フルート・ピッコロ・アルトフルートとギター)のコラボで始まりました。ケーキセット休憩を挟んで、2部は、身近な生活雑貨を笛にしてしまっての演奏です。
虫取り網P8991.jpgP8990.jpg
ほうきP8989.jpgなどなど、おばか笛と名づけられたそれらは、本来の用途にも用いることが可能なまま、楽器になってしまっています。穴さえあれば笛となって、楽しげな音色を響かせてくれるのが愉快ですね。P8988.jpg
子供のスクール用楽器も、プロの手に掛かれば、立派に役目を果します。中国の笛子(ディーズ)と呼ばれる笛は笛膜が張られたもので、独特の音色を醸し出していました。なにやらテーブルの下に荷物が置いてあるなと思っていたら、いろんな楽器が出てきます。ヨシ笛は、やっぱり、和みますね。
クリスタル フルートP8987.jpg
片手吹き!P8986.jpg
P8985.jpg盛りだくさんの楽器と演奏で、十分に楽しめました。3部は本格演奏と題して、フルートとギターに戻って、しっかりした演奏で締められていました。ケーキセット付き2千円じゃ、安すぎでしょう。
次回は茶道資料館で、9月1日に行なわれるということで、興味をお持ちの方は、ぜひお運びください。楽しめる事受け合いです。P8983.jpg
帰り道、友達に言われました。「笛習おかな~とか、思ってるやろ。」
図星です。笛子とヨシ笛に興味が沸いてしまいました(^^)困った性格です。

2009年06月04日

第60回記念 京都薪能

第60回記念 京都薪能は、晴天のうちに終了しました。
1日のお昼に平安神宮に着いたときは、まだ一組で、敷物にフロアクッション、日傘、本にお茶と完全装備で、開場を待ちました。今年は月曜のせいか、はたまたインフルエンザのせいか、集まり方が随分遅いようでした。パンフレットは、豪華版で、ファイルケース付きでカラーページが一杯でした。P9263.jpg顔見世のパンフレットみたいに、演者の顔写真もあるといいのにと考えるのは私だけでしょうか?長~い待ち時間のあと、4時半にやっと開場です。チケット片手に、気分は運動会です。「走らないでください。」と注意されながら、一目散に、目当ての席をゲット!報道の人達が何人もセンターを先に抑えてしまっているのは、やっぱりちょっと不愉快な感じだなと思いながら、その隣をキープしました。
P9261.jpg舞台の床、真ん中あたり、ちょっと木が浮いてるのが、引っかかりそうで気になります。
お酒とお弁当を食べながら、待つことさらに1時間。ようよう始まりです。
「翁」
1日目は観世流、2日目は金剛流で演じられ、両方観る人はその違いがよく分かって面白いでしょうね。粛々とした翁の舞の後、三番三の舞はとても、力が入っているように感じました。

「絵馬」
天照大神が、作り物の宮の中に入り、またそっと少し開けるのですが、あの中って入ってしまうと暗いのでしょうか?まぁ、面をつけているから、最初から暗いでしょうけど。暗くて狭くて暑そう・・・。

副市長さんのあいさつでは、和装を奨励されてました。しっかり着物で来てるんだから、奨励するなら割引して~(^^)
理事長の七五三さんは、いつもにこやかなお顔です。P9262.jpg

「杜若」
謡本を見ながら観ているので、はしょられると、「えっ!」という感じでページをめくらなくてはいけません。薪能は結構、飛ばすので、言葉を辿っているのも、考え物です。この演目は、ぼ~と観ている方が幽玄の世界に、はまり込めてよいかもしれません。

「福の神」
じっちゃん方が演者で、親父たちが後見、孫連中が地謡です。千作さんの登場で、一気に会場が和みます。一回り小さくなられたようにも思いますが、その一挙一動は、おかしくて目が離せません。
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「正尊」
こちらは、金剛流になりますから、持ってきた観世流の謡本とは、少し異なります。
シテが、観世流では、正尊ですが、金剛流では弁慶になります。
それにしても、何時になく、イケ面の義経です!
金剛流 若宗家の金剛龍謹さんです!きゃ~!また声の良いこと!(*^^*)追っかけしようかしらん?
静御前は、子方が演じます。小さい頃からこうして、舞台に上がって、力をつけていくのですねぇ。
切られ役の倒れ方が、すごくて、歓声が上がります。スローモーションを観ているように後ろに仰け反っていって、溜めてからバッタリと倒れます。
良い子は真似してはいけません(^^)結構、危険です。P9259.jpg
パンフレットに恒例の、茂山もっぴー・逸平兄弟のサインをもらって、(龍謹さんのサインもほしかった。)今年もお終いです。

2009年06月01日

薪能 「正尊」

あたりもしっかり暗くなる頃、第六十回記念京都薪能 1日目の最後の演目は「正尊」です。
あらすじ
梶原景時の讒言により義経の忠誠心に疑いを抱いた頼朝は義経を殺害する為に土佐坊正尊(昌俊ともいう)を都へ差し向けた。自分を狙った上洛であると思った義経は、弁慶を使いにやり、正尊を屋敷に連れてこさせた。上洛の目的を詰問された正尊は熊野参詣の為と説明し、起請文を書いて読み上げる。その場は、ひとまず、酒宴を催して、お開きとする。その夜、正尊は軍勢を整えて義経を討つべく、堀川の義経邸へ攻め入るが、待ち受けていた義経勢に迎え討たれて、捕らえられる。

この夜討ちの舞台となったのは、六条堀川館といい、堀川五条下がったあたりにあったようです。義経が頼朝に追われて京都を去る際に焼き払われています。P9275.jpg
名水「左女牛井」(醒ヶ井)は、この邸内の井戸といわれ、江戸時代には茶の湯に用いられていたそうです。
正尊は六条河原で処刑される際に、「後世、忠義立てのために偽りの誓いをする者の罪を救わん」と願をかけたといわれています。
四条寺町東入ル南側 八坂神社の御旅所の西側にある冠者殿社(かんじゃでんしゃ)は、祭神は天照大神と素戔嗚尊を祀っていますが、俗説では土佐坊正尊をも祀っていると伝えられています。
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誓文返しの神といい、駆け引きなどでやむをえず嘘をつくはめになった商人の罪を払うといわれています。
祇園や先斗町など花街の姐さん達も、偽りの恋文、証文を書いたこと、嘘をついたことを清める参詣を行なっています。この参詣は一切無言で行わなければ願いは破れるといわれ「無言詣」と呼ばれています。

一通り、予習して、気分の盛り上がったところで、いよいよ今日を迎えました。
天気もよさそうで、マスクもしなくてもよさそうで、なによりです。
近頃は上演中の写真撮影ができなくなってしまったのが、とっても残念ですが、
シャッター音に邪魔されないのも悪くはないです。行ってきます(^^)

2009年05月31日

薪能 狂言「福の神」

薪能 「杜若」のあとは、狂言「福の神」です。

年の暮れ、福の神に参詣に行った二人の男が「福は内」と豆を打って囃しているところへ、福の神が笑いながら現れます。毎年参詣するので感心なことだと言い、神はお神酒を催促し、日本中の神に供え、自分も飲みます。
豊かになりたいという二人に、福の神はその秘訣を歌いながら教えます。元手は金でなく心の持ちようだと説き、早起き、慈悲、夫婦円満を推奨し、最後に福の神にイヤというほど酒を供えるならば、豊かになりますよと言って、再び大きな声で笑って終わります。
福の神のこの上なく福福しい笑い声が幸せを招き、見る人の心を明るくするという縁起のよい狂言です。

この狂言では、通常、専用の目も口元もにっこり笑っている「福の神」の面を使いますが、今回、福の神を演じるのは、人間国宝の茂山千作さんです。もうまさに、お面いらないでしょうといった感じですよね。素のまま、福の神です。高らかなその笑い声も、もうぴったりの役どころです。そういう意味で、とっても楽しみな演目です。P9276.jpg
このところの不景気や、社会の不安定な空気を、千作さんのパワーで吹き飛ばしていただきたいものです。

2009年05月30日

薪能 「絵馬」

薪能 二つ目の演目は、「絵馬」(半能)です。P9277.jpg
これは、観世流の謡の本です。私は謡は習っていませんが、能の鑑賞の際には、あらかじめ、この本を買い求め、一通り読んでから、観ることにしています。面をつけているので、声がこもり、何を言っているのか聞きづらいので、当日はこれをめくりながら観ています。暗くなってくるので、ペンライトも必需品です。
「絵馬」 あらすじ
勅使が伊勢神宮に派遣されて斎宮に到着します。節分の夜、絵馬をかける行事を見ようと待っていると、日照りを占う白い絵馬と雨を占う黒い絵馬を持った老翁と姥がやってきます。
白と黒の馬を掛け争うが、二人は雨も降らし日も照らして、万民のために国土が豊かになるようにと、両方の馬を掛けることにします。そして、自分たちは伊勢の二柱の神であると正体を明かし消え失せます。やがて、夜になり天照大神が、天鈿女命(アメノウズメノミコト)、手力雄命(タヂカラオノミコト)を従えて現れ、舞を舞い、天の岩戸隠れの故事を見せます。

今回は、半能なので、後半の天の岩戸隠れだけになると思います。
岩戸を少し押しあけた大神を、手力雄命が外にお連れ申し、「国土も豊かに月日の光の。のどけき春こそ久しけれ」と終ります。

60回という節目の年の演目らしく、「翁」に続く1番目物として、神さまを主人公とした祭祀色の強い演目が選ばれているのですね。このあと、市長・理事長の挨拶と火入れ式が行なわれ、「杜若」となります。

2009年05月29日

薪能 「翁」

6月1日・2日と平安神宮において、第60回記念の京都薪能が、行なわれます。P9278.jpg
演目は、チラシ写真の通りです(雨天順延)。
私は、1日に行く予定ですので、演目について予習しておくことにします。
昨日は、「杜若」についてイメージを膨らませましたので、今日は、「翁」について、検証してみます。

「翁は能にして能にあらず」と言われ、他の曲とは別格の扱いです。
演劇性を持たない、天下泰平、国土安全、五穀豊穣を祈る儀式としての舞で構成された能です。

お正月の新春能で、よく演じられるのを見かけます。
出演者は舞台に先立ち、精進潔斎するそうです。
そして、翁・千歳・三番叟の3人がそれぞれ別に舞を舞います。
翁は、楽屋ではなく、舞台の上で面をつけ、また、はずします。これは、その間、神になるということのようです。囃子方・地謡方共に、熨斗目の着物に、素袍(すおう)、侍烏帽子という最高礼装になります。
颯爽たる千歳の舞、荘重な翁の舞と続き、その後、翁は退場し、千歳と三番叟の問答の後、三番叟が「揉之段」と「鈴之段」という2つのダイナミックな舞を舞います。

謡の文句に、下のような呪文のような一節があります。

千里也多楽里(ちりやたらり)
多楽有楽(たらありやら)
多楽有楽(たらありやら)
我利利有(がりりありや)
百百百(とうとうとう)
多楽里(たらり)
多楽有楽(たらり)
多楽有楽(たらありやら)

『かくれたる”日本霊性史”』菅田正昭著によると、

千千の里なる楽しみ多き里は、多く楽しみありや。
楽しき多く楽しみ有る楽しき我に喜び有り。
百百百(ももも)しい多く楽しき里は
楽しみ多く有りや楽しみ。

という意味になるそうです。

2009年05月28日

在原業平 邸跡

5月28日は在原業平の命日です。晩年を過ごしたとされる大原野の十輪寺では業平忌が営まれます。
十輪寺を訪れようと考えていたのですが、ちょっと遠いので、中京区間之町御池の東南角にある史跡を眺めて、平安のプレイボーイを偲ぶ事にしました。(怠慢!)P9280.jpg
平安末期の鴨長明の著した「無名抄」に、業平の住まいは、三条坊門(御池通)より南、高倉より西にあったと記されているそうです。P9281.jpg
父は平城天皇第一皇子の阿保親王、母伊都内親王は桓武天皇の皇女で、臣籍降下して在原氏を名乗りました。歌人として有名で、六歌仙、三十六歌仙のひとりです。また『伊勢物語』の主人公ともみなされています。元慶4年(880)5月28日、56歳で亡くなり、遺言により、吉田神楽岡に葬ったと伝えられています。吉田山山上の竹中稲荷神社の裏に、塚があるそうです。

ちはやぶる 神代も聞かず 龍田川
            からくれなゐに 水くくるとは

小倉百人一首には、この歌が収められています。
個人的には、次の歌が好きです。

世の中に 絶えて桜の なかりせば 
            春の心は のどけからまし 『古今集』

能の演目にもよく登場しています。
「井筒」「雲林院」「杜若」「隅田川」などです。
狂言の「業平餅」は結構、愉快です。
6月1日の平安神宮の薪能では、「杜若」が演じられる予定です。

唐衣 きつつなれにし 妻しあれば 
            はるばる来ぬる 旅をしぞ思ふ

火入れ式の後の演目となり、日の刻々と落ちる中、薪の明かりの強まる頃ですから、とっても幽玄で、趣のある感じになるはずです。
業平の冠をつけ、伊勢物語に出てくる唐衣を着て舞うシテは、杜若の花の精でもあり、業平その人でもあり、高子の后でもあり、歌舞の菩薩の化現でもあるという4重の映像が、薪の中に揺らめくことになります。P9279.jpg
薪能ファンとしては堪りません(^^)。ひたすら雨の降らぬよう祈りつつ、心待ちにしているところです。

2008年11月05日

KOMSおしゃれコンサート

11月3日 京都織物卸商業組合(KOMS)主催のおしゃれコンサートに出掛けました。
気軽に着物を着たり、おしゃれを楽しんでもらうために10年前から、行われている無料ご招待コンサートです。ただし、ドレスコードは、着物もしくは、おしゃれな服装です。京都コンサートホールで、2時半より始まりました。RIMG2011031.gif
1時半開場、自由席という事で、少し早めに着付けも終わったので、会場入りしましたが、すでにそこそこ並んでらっしゃいました。ここの通路は、柱が斜めになっていて、らせん状にホール入り口へと向かう設計になっています。真ん中には、エッシャーもどきの床のデザインが施され、ますます平行感覚を奪います。私はとっても苦手です。並んでいるだけで、気分が悪くなります。頭の中が、ダリの絵のようにゆがんできます。dali-thumbnail2.jpg
「記憶の固執」というタイトルですが、ちょうどこんな感じに気が滅入ってきます。開演前に、気付け薬にワインなど立ち飲みして、演奏を聴く気分を取り戻しました。ますます酔ったかも?
オーケストラは、京響で、指揮は岩村 力さんです。曲目は、誰でも1度は聴いたたことのあるものばかりです。第1部は、フィガロの結婚に始まり、磯 絵里子さんの、ソロ演奏を迎えてのメンデルスゾーンのバイオリン協奏曲ホ短調でした。この作品は、中学時代、家庭教師のマンドリン部所属の大学生先生と、楽譜をたどった思い出があり、懐かしい曲です。第2部は、チャイコフスキーの3大バレイハイライトです。子供の頃、初めて買ってもらったレコードが、この「白鳥の湖」などのバレイ曲ですから、なんともタイムスリップした感じです。
岩村さんは、とっても、テンション高そうなそぶりで、ステージに登場されます。こういうのは、練習で、できるものなのでしょうか?私は日本人にありがちなポーカーフェイス系なので、ハイテンションなリアクションは不得意にもかかわらず、なんとか気持ちを高揚させなくてはいけないという使命感に襲われます。そこがまた、小市民的でもあります。
同じ楽譜を奏でていても、演奏者によって、ニュアンスが違うのは、当然なんでしょうが、先のソロバイオリンと、2部でのコンサートマスターのバイオリンの音色は明らかに違っていて、うまいとか、へたとかはさっぱりわかりませんが、個性の違いが、面白く感じられます。
チェロ奏者の中に、モックンがいない!?のと、アンコールしてもらえなかったのが、残念でしたが、クラシック気分を味わえてよかったです。

2008年09月25日

上京薪能

9月19日 上京薪能を観に行きました。
白峯神社内で行われるとの事で、楽しみにしていたのですが、台風の影響で、天候が危ぶまれる為、金剛能楽堂での公演となりました。結果的には、雨も降らずじまいだったので、残念なことでした。やはり、暮れ行く中で薪を焚いてのお能は、独特の風情があり、惹きつけられます。仕事を終えてから出かけたので、会場に着いたのは2部の筝曲が、始まるところでした。「初鶯」唄付きの演奏です。
源氏物語の中でも、姫たちが琴を奏で、それにつられて光源氏が、やってくるシーンは多く描かれています。和歌に琴は当時の姫君の必須課題だったのでしょうが、苦手な姫もいたようで、いと おかしというより、結構おかしい姫も登場していたようです。何を隠そう私も、最強のやまとなでしこになろうと、一通りの事にはチャレンジしました。書道・琴・煎茶・抹茶・華道に日本舞踊です。ついでに香道体験もしてみました。どれも、半端な仕上がりで、殆ど忘れてしまいましたけど…。
狂言は「盆山(ぼんさん)」
盆山とは、お盆の上に砂や石を使い、自然の風景などを作ったものです。これに興味を持った男が、たくさん持っている人に1つ欲しいと頼みますが断られ、とうとう盗みに入るという、お話です。当時、犬は、「びょう、びょう」と鳴いていたようですが、鳴き声が変わった訳でもないでしょうから、遠吠えがそのように聞こえたのでしょうかねぇ?鯛の鳴き真似を強要されて、苦し紛れに「たい!」と鳴くところが、なんとも滑稽な泥棒です。今時の泥棒も見習わないといけません。って、違うか。
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ラストは、観世流能「葵上」です。六条御息所が、鬼となり、病床の葵上を打ち据え、連れ去ろうと、小聖の法力と戦う四番目物です。位も高く教養ある御息所が、立場をわきまえた振る舞いをしなければと思う反面、車争いでの屈辱や、源氏への想いに心乱れ、ついには、魂がその身を抜け出し、葵上の頭上へとやってきて、恨み言を述べ、取り殺そうとするも、法力に負けてしまう、すざまじくも悲しい物語です。やっぱり、薪があった方が盛り上がる演目ですが、想像たくましくするしかありません。もともと、少ない舞台装置を想像力で補い、膨らませるのが、お能の基本的な楽しみ方だと思っているので、まぁ、我慢。お能は、一人遊びの得意な一人っ子気質の私に適した芸能なのかもしれません。
にしても、会場は、超~さぶおした。
すっかり冷えて、帰りにコンビニで肉まんを買ってしまいました。おいしかった~(^_^)

2008年08月23日

六斉念仏

8月20日 出町柳の干菜山光福寺へ、六斉念仏の奉納を観に行きました。重要無形文化財に指定されているようですが、生で見るのは初めてです。RIMG82103.gif
住職や、小山郷の会長さんのご挨拶のあと、皆さんで集合写真です。RIMG82104.gif
オープニングは四つ太鼓
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小さい子達から順番に、四つ太鼓のソロ演奏です。RIMG82106.gif
天性のリズム感なのか、練習の成果なのか、すっごく早くて上手な子もいます。RIMG82131.gif
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金髪のおにいさんも、頑張ってます。RIMG82109.gifRIMG82110.gif
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祇園ばやしのコンチキチンは、小学生~中学生の女の子たちです。RIMG82113.gif
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後ろで演奏している笛の人たちの中には、はじめっからず~と吹いてる人もいて、酸欠で倒れないかしらって感じです。
RIMG82117.gif最後はお獅子の登場です。RIMG82118.gifRIMG82119.gif
逆立ちしたり、くるくる回転したりと、技の連続ですRIMG82120.gifRIMG82121.gif
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愛嬌も振りまいた後は、観客の頭をかじります。子供は、頭が良くなるようですが、この歳にもなると無理かも?RIMG82124.gif
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いよいよ碁盤の上に上がります。RIMG82126.gif
RIMG82127.gif終盤で、土蜘蛛が出てきて、糸をぱーっと撒いて、獅子と戦うわけですが、シャッター押すの早すぎで、糸は矢印の先に点々とあって、まだ広がっていません。(((^_^;)次の瞬間を撮ろうとあせって、余計なときに押してしまい、肝心の瞬間に、フラッシュが間に合わず、シャッターが切れずに、終わってしまいました。しまりのないエンディングです(- - ;)・・・。
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2時間弱ぐらいの間でしたが、結構見ごたえがあり、おもしろかったです。京都は、あちこちで、さまざまな催しがあり、それぞれに伝承していく努力をされていて、すばらしいことです。

2008年06月05日

薪能

6月1日 平安神宮へ、薪能を観に行きました。
開場は4時半からですが、例年のごとく、席取りの為、12時半から、神宮前に座り込みです。今年は程よいお天気で、着物でも暑くもなく待機できました。シートにお座布、ドリンク、本など完全装備は、もう慣れたものです。いつも花形狂言師の茂山兄弟がパンフレット販売のため、開場前に現れるので、今年は、お二人の絵を描いてプレゼントしようと、待ち構えていました。開場迫る頃に、逸平さん登場!自分用の絵にサインをしてもらいました。キャ~ (^0^)ippei.gif
お兄さんの宗彦さんは、楽屋でお仕事中だそうで、一先ず会場入り。走らないでください~と言われても、はやる気持ちは、止まりません。またいつもの灰かぶり席を、キープしました。腕章をしたカメラの人が先に真ん中押さえてるから、やっぱりちょっと横の席になってしまうんですよね~。近頃は肖像権の問題とかで、上演中の撮影が全面禁止になってしまいました。以前は、カメラおじさんが前列にいっぱいでしたが・・・。と言うわけで、これなら載せてもいいかしらと、薪の雰囲気写真だけUPです。RIMG0002.gif 5時半の開演までの間に、お弁当タイムです。お酒もそこそこ飲んで、心地よい加減で、待ちます。今年のテーマは、源氏物語で、新作能『紅葉賀』も上演されます。日曜のせいか、新作の上演のせいか、例年より観客が多く、立ち見や通路に座り込み組がいっぱいです。まだ明るいうちに『浮橋』、挨拶のあと火入式、暮れ行く中での『紅葉賀』、狂言『萩大名』、とっぷり暗くなって『須磨源氏』という流れです。 『紅葉賀』は、帝や女御たちの見守る中、頭中将と光源氏の華やかな舞楽、舞のあと、立ち去る藤壺の女御と光源氏の揺れる心中を題材にしていました。背景の社殿が、当時の清涼殿を思わせ、雅な源氏物語の世界へと誘います。帝、若すぎ~で、調子狂う感じは、能の構成ならではです。一の松あたりで振り返る藤壺と本舞台の光源氏、暮れなずむ中に怪しく揺れる篝火。私の陣取った席からは、まさに揺らぐ藤壺RIMG0090.gif薪能ならではの醍醐味です。室内の舞台では、こうはいきません。これが、病み付きになる要因です。(豪華キャストと演目の割りに安いというのもありますが。) 『萩大名』 千作さんは、そこに存在しているだけで、おかしい感じがするのは、すごい事です。以前、他の舞台で、込んだ後ろの席のため、声しか聞こえなかった経験がありますが、声だけで笑える~と感動した事がありましたが、脇に座ってはるだけでも絶妙です。例年だと、ここらで、一枚羽織らないと肌寒くなってくるのですが、台風の影響でしょうか、全く、羽織の出番はありませんでした。出口のところで、ようやく宗彦さんを見つけ、サインをゲットして、ご満悦で、帰宅しました。\(^0^)/moppi.gif

2008年05月06日

千本えんま堂狂言

5月4日 千本閻魔堂へ、念仏狂言を観に行きました。天気が良すぎて、野外観覧席は直射日光でまぶしいばかりです。早めに出かけたので、なんとか日陰の前列を確保できました。
京には、4つの念仏狂言がありますが、せりふ付きは、ここだけです。古くから伝わる伝統芸能で、市の無形民俗文化財に登録されています。狩野永徳筆の『洛中洛外図』にも最古の狂言図として描かれているほどです。
洛中洛外図 (左隻第二扇) 〔えんま庁〕上演中ennmadou.gif

まずは〔えんま庁〕RIMG541.gifRIMG542.gifRIMG543.gifRIMG544.gifRIMG545.gif〔鬼の念佛〕RIMG546.gifRIMG547.gifRIMG548.gifRIMG549.gifRIMG5410.gif
〔末廣〕RIMG5411.gifRIMG5412.gifRIMG5413.gifRIMG5414.gifRIMG5415.gifRIMG5416.gifRIMG5417.gifRIMG5418.gifRIMG5419.gif

2008年04月12日

紅しだれコンサート

4月11日 平安神宮の紅しだれコンサートに、出かけました。RIMG0001.gifRIMG0008.gifRIMG00201.gif
夜桜は、これまであちこち出かけていましたが、神宮は初めてです。こんなに、美しいとは知りませんでした。咲き乱れる紅しだれと池に舞い散った花びら、そこに写りこむ桜の幻影 とても写真では、伝えきれませんが、パシャパシャ撮ってきたので並べてみました。たぶん、もっと性能の高いカメラで撮るべきでしょう。腕の問題もありますけど…。RIMG00221.gifRIMG0028.gifRIMG00381.gifRIMG00451.gif
写真では音まで、録れていませんが、イラナさんによる馬頭琴の演奏は、東神苑いっぱいに浸透し、最高の気分にしてもらえました。RIMG0050.gifRIMG0057.gifRIMG00671.gifRIMG0073.gifRIMG0083.gif
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20年も前から、この催しは行われていたので、知ってはいたのですが、薪能にしか関心がなく、これまで出かけなかったのは、もったいないことでした。心に残る雅な美しさでした。

2007年11月25日

11月22日 島本弘子ディナーショー

11月22日 島本弘子ディナーショーを観に、新都ホテルに行ってきました。simamotohiroko.gif

市内は、三連休前という事もあってか、渋滞していて、ホテルにたどり着いた時には、ディナーが、始まっていました。ズワイ蟹のサラダ仕立てに始まるフレンチで、きのこのポタージュスープが、冷えた体においしく感じられました。ドリンクは数種類の中から、セレクトする形で、白ワインを頂きました。デザートの後、さらにショーに備えて、赤ワインを注文し談笑しているところに、ピアノ演奏が始まり、照明の落とされた中、赤いロングドレス姿の島本弘子さんの登場です。オープニングは、サントワマミー♪ その、風貌、出で立ちは、往年の越路吹雪さんを、思わせます。京都出身ということで、客席には、同窓生の方々も多いようで、年齢層が結構高めです。シャンソンというジャンルそのものが、人生の喜怒哀楽を語る深い味わいのものであるので、自然と円熟した層になってしまうのかもしれません。四条河原町下がったところのシャンソンライブハウス『巴里野郎』の客筋もおおむね年配で、30そこそこで出入りしていた私は結構浮いていましたし。先頃、公開されたピアフの映画の影響で、もっと若いシャンソンファンも増えるといいなぁと思います。シャンソンは、その一曲の中にドラマを観るとこができ、歌い手はそれを演じる役者という印象があります。そういえば、島本さんは、新劇を志して上京。舞台芸術学院を卒業後、劇団「新劇場」を経て、シャンソンを宇井あきら氏に師事。というキャリアの方です。俳優としての経験が、きっと歌にも反映するのでしょう。シンプルなステージ上でも、つかの間、巴里の雑踏が、舞い落ちる枯葉が、リヨン駅のざわめきが、降りしきる雪が、見えた?気がします。日本語で、なおかつ訳詩も原詩により忠実に歌ってもらえるのは、なによりです。ピアフの歌声は好きですが、歌詞が、同時通訳できない問題がありますから(^o^)フランス語は学生時分に4年間も習ったのですが、全く身についていません。ケセラセラ~♪ というフレーズを理解しただけで満足してしまいましたので…。
島本さんは“人生を、愛を、自由を、人間らしく生きる喜びを”というテーマを一貫して掲げてらっしゃるそうです。よく知る曲目が多い中、はじめて聴く歌もあり、十分に楽しめました。私も今年度のテーマソングを決めました。といっても、もう師走ですが。 「水に流して」 ♪私の夢と命は すべて今の今から始まるのよ~~~♪ 忘年会のカラオケで挑戦してみる事にしましょう。riyonnekimade.gif
タクシー!リヨン駅まで行って~♪