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2009年05月29日

薪能 「翁」

6月1日・2日と平安神宮において、第60回記念の京都薪能が、行なわれます。P9278.jpg
演目は、チラシ写真の通りです(雨天順延)。
私は、1日に行く予定ですので、演目について予習しておくことにします。
昨日は、「杜若」についてイメージを膨らませましたので、今日は、「翁」について、検証してみます。

「翁は能にして能にあらず」と言われ、他の曲とは別格の扱いです。
演劇性を持たない、天下泰平、国土安全、五穀豊穣を祈る儀式としての舞で構成された能です。

お正月の新春能で、よく演じられるのを見かけます。
出演者は舞台に先立ち、精進潔斎するそうです。
そして、翁・千歳・三番叟の3人がそれぞれ別に舞を舞います。
翁は、楽屋ではなく、舞台の上で面をつけ、また、はずします。これは、その間、神になるということのようです。囃子方・地謡方共に、熨斗目の着物に、素袍(すおう)、侍烏帽子という最高礼装になります。
颯爽たる千歳の舞、荘重な翁の舞と続き、その後、翁は退場し、千歳と三番叟の問答の後、三番叟が「揉之段」と「鈴之段」という2つのダイナミックな舞を舞います。

謡の文句に、下のような呪文のような一節があります。

千里也多楽里(ちりやたらり)
多楽有楽(たらありやら)
多楽有楽(たらありやら)
我利利有(がりりありや)
百百百(とうとうとう)
多楽里(たらり)
多楽有楽(たらり)
多楽有楽(たらありやら)

『かくれたる”日本霊性史”』菅田正昭著によると、

千千の里なる楽しみ多き里は、多く楽しみありや。
楽しき多く楽しみ有る楽しき我に喜び有り。
百百百(ももも)しい多く楽しき里は
楽しみ多く有りや楽しみ。

という意味になるそうです。

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