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2010年06月05日

第61回京都薪能 -鞍馬天狗 白頭(観世流能)-

春の京都、鞍馬山。ひとりの山伏が、花見の宴のあることを聞きつけ、見物にやってきます。一方、西谷の能力が東谷へ使いに出ますが、途中で東谷の僧が稚児をつれてやってくるのに出会い、持参した花見への招待状を渡します。一行は西谷に来て、花見の宴を楽しみます。能力も小舞を舞います。そこへ先の山伏が居合わせていたことがわかります。興をそがれたような思いの僧たちは、ひとりの稚児を残して去ります。
僧たちの心の狭さを嘆く山伏に、その稚児が優しく声をかけます。山伏はこの少年が牛若丸であることを知っていて、その境遇に同情し、ともに桜を見て回ります。山伏は、この山に住む大天狗であると名乗り、兵法を伝えるから平家を滅ぼすようにと勧め、明日の再会を期して飛び去ります。〈中入り〉
翌日、牛若丸が薙刀を携えて待ち受けていると大勢の天狗どもを従えた大天狗が現れます。張良が黄石公から兵事を授かった故事を語り、兵法の秘伝を授けます。大天狗との別れを惜しむ牛若に、平家打倒に力添えする事を約束して消え失せます。
p6820.jpg
(パンフレット写真転用)
最初の花見の場面には、能楽師の子供たちが大勢出てきます。歩けるようになるとまずこの役に出され、初舞台を踏む慣わしになっているそうです。しっかりした子もいれば、まだ幼い子などは、きょろきょろしたり、動きが合っていなかったりと、観ている方がどきどき、はらはらしたりしてしまいます。はいはい。よくできました。お疲れ~と見送ってふと舞台に目を戻すと、一人の子方が残っています。そうそう、牛若丸役はここから肝心やし、頑張ってねぇ。って感じです。そして大天狗が貫禄を見せ、牛若をいたわる感じが、一つの見せ場でもあります。
大河ドラマ「義経」で鬼一法眼を演じた美輪明宏さんを思わず思い出してしまいました。あのちょっと妖しい・怪しいニュアンスが良かったですね。

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