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2010年09月26日

高島屋百華展・日本画の前衛

現在、京都市美術館では「高島屋百華展」が、国立近代美術館では「日本画の前衛」が開催されています。

「高島屋百華展」
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1831年に京都で創業した高島屋は、呉服商を営むかたわら、当代一流の画家の協力を得て美術染織品を制作し、主に海外向けに販売したそうです。
そして1909年には美術部を創設し、多くの優れた作品を収集してきたようです。
今回はその中から100点を選び出してのコレクション展の開催です。
日本の近代美術の名立たる作家の作品が集められていました。811.jpg
右から「ベニスの月」 竹内栖鳳 ・ 「吉野の桜」 都路華香 ・ 「ロッキーの雪」 山元春挙

1901年にロンドンの日英博覧会に高島屋が出品した「世界三景」の下絵だそうです。染織の図柄を描いた作品で、大きな画面に圧倒されます。

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「風神雷神」冨田渓仙
愛嬌のある表情が楽しい軽快な作品です。

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高島屋マスコット人形のローズちゃんの着せ替えバリエーションも展示されていて懐かしくもありました。

「日本画の前衛」812.jpg
日本画というと一般的には花鳥風月などを描いたものをイメージしがちですが、その伝統的なスタイルから脱却し、新たな日本画を目指そうとし始めた時代がありました。
1938年(昭和13)4月に「歴程美術協会」という集団が結成されたそうです。
太平洋戦争開戦前夜のことですから、不安定な時代のさなか、シュールレアリスムやバウハウスなどの海外の動きを取り入れ模索した、前衛の始まりであったようです。
今回はその時代に活躍した作家を集めた展覧会で、あまり観たことがなかった時代の日本画なので、一応観ておこうと、美術館のはしごをしました。

変革しようといろいろ試みた作品の数々、戦争関連の作品などもあり、前衛と呼ばれた時代の空気に少し触れられたように感じました。

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