Search


2010年05月14日

柴田是真の漆×絵 その1

相国寺承天閣美術館では、6月6日まで、「柴田是真の漆×絵」展が開催されています。p6949.jpg
この柴田是真という方は、幕末から明治にかけて活躍した漆芸家・画家ですが、なかなかユニークで興味深い人物です。まず絵師として高い評価を得、蒔絵師としても江戸随一の地位を獲得。さらに、和紙に漆を用いて絵を描く「漆絵」を発展させて、様々な作品を残しています。

竹葉文箱p6948.jpg
すっきりとしたデザインの中に、よく見ると竹の葉ごとに蒔絵や塗りを変えた細かい細工が施されていてます。竹製の蓋の木目が、竹そのものを暗示しているようです。

蟹文鐔p6947.jpg
金属製の刀装具を漆芸で、模倣しています。金属の冷たそうな質感を塗りで見事に表現している様もあ驚きですが、蟹が這い上がってきたように感じさせるユーモアに思わず笑ってしまいます。

鍾馗に鬼小柄
鉄錆塗という技法で鉄の小柄を模しています。鍾馗さんがにらみ付ける先に鬼が顔を出しています。

流水蝙蝠角盆p6946.jpg
美しい欅(けやき)の木目に、吉祥文様の蝙蝠が映える粋な作品です。

秋草印籠
蛍狩印籠p6945.jpg

花瓶梅図漆絵p6936.jpg
紫檀の木材の上に、蒔絵と漆絵を施した額のように見えますが、素材は全て和紙です。和紙に漆塗を施し、紫檀特有の木目を刀で彫って再現しています。そのため、450グラムしかない軽い作品です。

このように、漆をたくみに使って別の素材の工芸品を創出した作品が多く展示されていて、思わず触ってみたくなります。細かい細工を注視するあまり、仕切りのガラス面にぶつかりそうにもなりました。天眼鏡が、配されている作品もありましたが、持参するのも良いかもしれません。

明日は、絵画編です。

trackbacks

trackbackURL:

comments

comment form

(ZUZU log にはじめてコメントされる場合、不適切なコメントを防止するため、掲載前に管理者が内容を確認しています。適切なコメントと判断した場合コメントは直ちに表示されますので、再度コメントを投稿する必要はありません。)

comment form