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2010年05月15日

柴田是真の漆×絵 その2

鴉鷺図漆絵p6943.jpg
金箔の上に白黒の鳥。右下の方に烏の羽毛が空中に舞っているのが、なんとも心憎い感じです。漆が絵に取り入れていることから、光沢と濃厚な色彩が画面に強さを生み出しているようです。

鴉に兎祝宴図p6942.jpg
兎の家に烏が婿入りしたという設定のようで、軽妙な筆使いが楽しい作品です。

蓬莱山図p6941.jpg

白蓮図p6940.jpg
花も葉も、その生の過程を画面に描きこんでいます。十六羅漢を模写した軸の左右に掛けるように造られた三幅対の軸です。

瀑布に鷹図p6939.jpg
滝の水面に顔が映っているのを、じっと見つめている親鷹とそれを見上げる子鷹という、おもしろいシチュエーションです。
部分p6938.jpg

波に貝尽図漆絵扇面p6937.jpg
貝は別紙が貼りつけられています。様々な技法を駆使して豪華に描かれています。

思わず、引き込まれてしまう魅力のある作品ばかりでした。工芸と絵画というジャンルを跨いだ作家であることや、幕末から明治という時代の間に生きたことなどから、美術史上から、忘れさられがちであり、作品の多くも海外に流出してしまっているようですが、再評価すべき作家に違いありません。

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